西村コロナ担当相「大企業支援拡大」表明 中小企業は見殺しなのか

西村コロナ担当相「大企業支援拡大」表明 中小企業は見殺しなのか

大企業よりもまず中小企業の支援が必須(西村経済再生担当相=上、共同)/(C)日刊ゲンダイ

日本経済を直撃しているコロナ不況。コロナ関連倒産も2月2件、3月23件、4月84件……と急増している。

 ここにきて安倍政権は、大慌てで大企業支援に動きだしている。西村康稔経済再生担当相は10日、NHKの番組に出演し、日本政策投資銀行の大企業向け出資枠について「拡大することも考えていきたい」と表明。すでに政投銀の大企業向け融資は、4000億円規模の追加の出資枠が設けられているが、さらに出資枠を拡大する方針だ。

 しかし、大企業は500兆円もの内部留保を抱えているはず。大企業よりも、まず中小企業の支援に注力すべきなのではないか。それとも大企業の経営もかなりヤバくなっているのか。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。

「社名を聞いたこともない中小企業が倒産しても政権へのダメージは小さいが、大企業の倒産はインパクトが大きく、政治的リスクが大きいと判断しているのでしょう。メディアも大きく取り上げ、次はどこかと一気に倒産ラッシュのムードが強まりますからね。それに財界に支えられている安倍政権は、大企業の救済を優先せざるを得ないという事情もあるのでしょう。1社でも大企業が倒産したら、財界から安倍批判が噴出しますからね」

 自民党の安藤裕衆院議員によると“ある自民党幹部”は、「もたない会社は潰すから」と言い放っていたという。体力のない中小企業は見捨てる方針だったようだ。しかし、中小企業だけでなく大企業も危うくなっているという。安倍政権が大慌てで動いているのも、そのためだ。

「法人企業統計をみると、資本金1000万円以上の企業でも、手元流動性は1.88カ月と2カ月を切っています。売り上げがゼロだと2カ月もたないということです。資本金1億〜5億円の中堅企業も、同じように余裕がない。コロナ不況があと半年つづいたら、潰れる大企業も出てくるでしょう。ANAは3000億円の融資を政投銀に仰ぐ方針です」

 6月には倒産ラッシュが起きると予想されている。エヌエヌ生命保険の調査によると、中小企業の約6割が経営的に乗り切れるタイムリミットを「6月末」と回答しているからだ。大企業優先となったら、死屍累々となる。

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