菅長官のご都合主義発言どこまで…検察庁法改正案への抗議500万件超はスルー

菅長官のご都合主義発言どこまで…検察庁法改正案への抗議500万件超はスルー

菅官房長官(C)共同通信社

各国政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて全力を挙げる中、なぜか、安倍政権が今国会での成立を急ぐのが検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案だ。

 検察官の定年延長は、安倍官邸に近しいとされる黒川弘務・東京高検検事長の人事と密接に絡むといわれる。黒川氏は定年となる63歳の誕生日を控えた今年1月末に突然、閣議決定で定年が半年間延長されたため、野党から「次期検事総長への昇格含みの措置」と批判された。

 今回の改正法案は63歳の「役職定年」を設けたうえで、それを超えても役職にとどまれる規定を盛り込んでいることから、「今の黒川氏の処遇を後付けの理屈で正当化するもの」(検察官OB)との指摘が出ている。

 この改正法案に対し、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅや女優の小泉今日子、俳優の浅野忠信、井浦新、作家の辻仁成ら著名人がツイッターで、「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけて投稿。今や抗議の声は500万件を突破。新聞・テレビも抗議の声を取り上げざるを得なくなった。

 こうした抗議の投稿がSNSで相次いでいることに対し、菅義偉官房長官は12日の会見で、「内容に問題があるとは考えてない。インターネット上にはさまざまな意見がある」などと答え、けんもほろろ。まるでSNSの投稿は意味がない、と言わんばかりだったが、この発言には驚く。というのも、菅官房長官はちょうど1カ月前の会見では、まるで違うことを言っていたからだ。

 安倍首相は4月7日に7都府県に緊急事態宣言を発令し、その最初の週末、歌手で俳優の星野源が歌う「うちで踊ろう」とのコラボ動画をSNSで配信。その時の安倍首相が高級ホテルのスイートルームのような部屋でソファにゆったりと腰掛け、愛犬のミニチュアダックスフントを抱いて戯れる姿に批判が殺到。この件を会見で問われた菅官房長官はこう反論していた。

「(首相のツイッターで)過去最高の35万を超える『いいね』をいただくなど大きな反響があった。なかなか(政府の発信の)手の届かない若者にSNSでの発信は極めて有効だ」

 35万の「いいね」が大きな反響であるなら、その10倍以上の500万件を超える投稿を「さまざまな意見」で切り捨てていいはずがない。大きな反響どころか、とてつもない反響として受け止めるべきではないのか。ご都合主義にもほどがある。

関連記事(外部サイト)