給付金申請で現場は混乱…マイナンバーカードCMの“間の悪さ”がハンパない

給付金申請で現場は混乱…マイナンバーカードCMの“間の悪さ”がハンパない

利便性をアピール(政府広報オンラインから)

タイミングが悪いことこの上ない。マイナンバーカードの普及を狙ったテレビCMのことだ。一律10万円給付の申請について、マイナンバーカードによるネット申請を政府が呼び掛けたことで、自治体の窓口に人が押し寄せた。現場がパニックになり、「マイナンバー」ではなく「郵送」での申請をお願いしているさなか、カード取得を呼び掛けるCMが全国のお茶の間に流れていたのだ。

 問題のCMは、今月11日から17日まで放送された。俳優の鈴木福と女優の柴田理恵が出演し、福くんの「あなどれないよ、マイナンバーカード!」の一言から始まる。政府広報を担当する内閣府によると、全国43局で1日1〜2回流されていたという。

 肝心の内容は、9月から始まるマイナンバーカード所有者へのポイント還元事業「マイナポイント」の宣伝や、「(来年3月から)保険証として使えるようになる」とのお知らせ。カードを持つことの利点を視聴者に訴えているのだが、自治体窓口がマイナンバーカードでの10万円給付の申請をめぐり混乱している真っただ中では逆効果。間の悪さが目立った。

 この本末転倒のCMに一体、いくらの税金が使われたのか。内閣府に制作費などを問い合わせると、「政府広報全体の予算として計上しているので、制作費などはお示しできません」(政府広報室)とすっとぼけ。混乱の最中にCMを流したことについては、「7月からマイナポイントの予約が始まるので、混乱を避けるために5月に流しましたが、給付金による混乱は想定していませんでした」(政府広報室)と困惑気味だった。

 広告代理店出身の作家・本間龍氏は「具体的なGRP(延べ視聴率)が分からないから詳しくは言えないが」と前置きしつつ、こう続ける。

「基本的に政府広報案件は安いです。スタジオで1日撮影しても、制作費は1000万円。タレントとの契約料は400万〜500万円ぐらいではないか。放映費を合わせても、合計で5000万〜1億円弱の間でしょう。正直、CMを打っても打たなくても、国民の認知度は変わらないレベルだと思います」

 間が悪い上に、効果は薄い――。税金のムダだ。

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