安倍自民「GoTo」強行の裏に…受託団体と政治献金通じた“蜜月”関係

安倍自民「GoTo」強行の裏に…受託団体と政治献金通じた“蜜月”関係

二階自民党幹事長(左)を筆頭に旅行業界とベッタリ(右は安倍首相)/(C)日刊ゲンダイ

東京都で過去最多の新型コロナウイルス感染者が確認され、安倍政権はようやく旅行代金を割り引く「Go To トラベル」キャンペーンの対象について、「東京発着」を除外することに決めた。ところが、神奈川や埼玉、大阪など感染拡大中の大都市は除外せず、不安が払拭されないままキャンペーンを予定通り22日から開始するというから、どうかしている。悪評ふんぷんの愚策を根本的に見直さないウラには、「支援団体」に便宜を図りたい安倍自民の思惑がにじむ。

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「Go To トラベル」の事務手続きの委託先は、日本旅行業協会や大手旅行会社からなる「ツーリズム産業共同提案体」。委託費用は1895億円だった。7つの企業・団体と、7つの協力団体の計14団体からなる提案体は、実は安倍自民と極めて距離が近い。

 提案体に名を連ねる全国旅行業協会の会長は二階幹事長だ。今年3月に行われた宿泊業関係者との意見交換会で、二階氏は「(コロナ対策について)政府に対して命令に近い形で要望したい」などと発言。旅行業界とはベッタリだ。

 さらに、協力団体として参画する組織の一部は、政治献金を通じて自民と“蜜月”関係を築いている。

「全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会」と「一般社団法人日本旅館協会」で組織する「全国旅館政治連盟」は、2017年9月29日から10月13日までの間、自民党支部12団体に計300万円を寄付。支出額は1回当たり10万〜50万円だ。受け取ったのは、二階氏をはじめ、故・望月義夫元環境相や岩屋毅元防衛相が代表を務める支部だった。

1年間で18議員の政党支部に献金

 18年は、3月14日に安倍首相が所属する「清和政策研究会」に18万円、同22日には二階氏が率いる「志帥会」に8万円を会費として支出するなどしている。

 また、旅館協会の政治団体「旅館ホテル政経懇話会」も17年9月29日から10月10日までに、12の自民党支部に10万円ずつ献金している。こちらは、田村憲久元厚労相や吉野正芳元復興相、カジノ汚職で起訴された秋元司衆院議員の支部などに渡っている。結局、「全国旅館政治連盟」と「旅館ホテル政経懇話会」は、重複を除くと自民党議員18人が代表を務める支部に献金していた。

 他にも協力団体の「日本ホテル協会」や「全日本シティホテル連盟」も安倍自民にしっかりと働きかけている。自民党の政権復帰後の13年11月、党観光産業振興議連の総会に出席し、ホテルや旅館の建物にかかる固定資産評価の見直しを求めた。

 これらの献金や陳情に違法性はない。しかし、安倍政権が感染拡大の危険を顧みず、「Go To トラベル」を強行する背景に、業界団体との“癒着”が影響しているとしたら、大問題だ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「旅行業界を救済するのをヤメロとは言いません。しかし、ここまで感染が拡大している状況ですから、国民の命を守るために、いったん立ち止まるべきでしょう。それをしないのは、安倍自民が国民の安全より『支援団体』の経済的利益を優先しているから。狙いは当然、支持のつなぎ止めです。こんな国民の命を軽視した『癒着構造』を許してはいけません」

 永田町では解散風が吹き始めている。まさか、愚策強行の狙いは“選挙対策”ではないか。

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