「新国立」は借金漬け…建築主JSCに長期借入金780億円の重圧

「新国立」は借金漬け…建築主JSCに長期借入金780億円の重圧

返済の原資のひとつはスポーツ振興くじ(toto)、コロナ禍で「toto」販売停止も重なり…(C)日刊ゲンダイ

本来なら今週はオリンピックウイーク。世界中から観客が押し寄せたはずの国立競技場は作業用フェンスに囲まれ、今はひっそりとしている。実は国立の建築主、日本スポーツ振興センター(JSC)が建設費がたたり、「借金漬け」なのはあまり知られていない。

 総工費1569億円のうちJSCは4分の1を負担。既に施工者への支払いは終えたが、他にも国立代々木競技場の耐震改修工事などの支払いが立て込み、民間金融機関から長期借入をするハメとなった。

 その額は半端じゃない。2018年度の311億円を皮切りに昨年3月に256億8000万円、12月には184億8000万円、さらに今月も27億4000万円を借り入れる予定で、総額780億円まで膨らむ見込み。完済は10年後の予定だ。

 返済の原資は国立整備と同じく、スポーツ振興くじ(toto)の売上金だ。国は国立整備の財源確保のため、23年度までの時限措置でJSCへの分配割合を従来の5%から10%にアップ。

「totoの分配金は法律で『国際的なスポーツ大会開催のための施設整備』など用途が限られています。そのため、独立採算を保ち、『特定業務勘定』との名称で他の会計と分けています。その会計内で生じた借入金の返済に、他の収益を充てることはできないのです」(JSC関係者)

■コロナ禍で「toto」販売停止も重なり

 今年度のtotoの売り上げは970億円と見込んだが、新型コロナ禍でくじの対象となるJリーグは今月の再開まで約4カ月中断し、販売停止。今も来月いっぱいしか詳細な試合日程を発表しておらず、村井チェアマンは「全チームが同じ試合数で終えられない可能性」を口にするなど先行きは依然、不透明のままだ。

「1番人気の『totoBIG』の売上額は中断前、1回10億円を超えていましたが、再開後はまだ1度も到達できていない。日程消化のため、試合間隔が縮まれば販売日数も減り、売上額に影響します。ルヴァン杯や天皇杯の試合数縮小で販売機会も減る予定で、1回の機会を逃すとtoto全体で約18億円の売り上げが消失してしまう。さらに感染拡大でJリーグの全日程を消化できなくなる懸念も消えず、売り上げの見通しは立ちません」(JSCスポーツ振興事業部)

 売り上げが激減すれば返済計画の見直しは必至。五輪の負のレガシー拡大を抑えるには、totoを買って応援するしかないのだが……。

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