安倍首相の持病悪化が招いたコロナ対策“機能不全”…交付金増額渋り地方に丸投げ

安倍首相の持病悪化が招いたコロナ対策“機能不全”…交付金増額渋り地方に丸投げ

続投?(慶応大病院から私邸に戻る安倍首相=17日)/(C)共同通信社

日増しに強まっている安倍首相の健康不安説。その払拭のためか、安倍首相は28日夕方、約70日ぶりに官邸で会見する。現在の体調や、延期もウワサされる秋の自民党役員人事・内閣改造などについて考えを示す。ようやく、説明の場に出てくるが、野党が再三要求する予算委員会出席は相変わらず拒否。安倍首相の持病悪化による“トップ不在”のせいで、肝心の新型コロナウイルス対策はフン詰まり状態だ。

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 野党が憲法第53条の規定に基づき、臨時国会の召集を求めてから約1カ月。安倍政権はまったく開く気ナシだ。

「予算案や法律案が今のところないので、国会を開催する状況ではない」(森山裕国対委員長)などと屁理屈をコネ回し、サボタージュを決め込んでいる。

 現状、週1回ペースで閉会中審査が開かれているとはいえ、目新しいコロナ対策は出てこない。安倍首相は今こそ、首相在職歴代最長の名に恥じぬよう“リーダーシップ”を発揮すべきなのに、満身創痍だ。野党が要求している来月2日の衆院予算委員会集中審議への出席をかたくなに拒否。トップ不在の続く政府は、安倍首相がアピールしてきた「決められる政治」とは真逆の状態。もはや機能不全と言っても過言ではない。

西村コロナ担当相「3兆円で対応できる」の愚

 そんな「決められない政治」の象徴が、27日の参院内閣委員会での一幕だ。全国知事会が増額を求めている「地方創生臨時交付金」について、西村コロナ担当大臣は「すでに3兆円を配布しているので、かなりの部分に対応できると思っている」とノラリクラリ。続けて、次のように言い放ったのだ。

「いずれにしても、感染状況あるいは今後の経済状況を見ながら、国の施策で手の届かないところは交付金を活用し、地域の実情に応じて支援していただくことを期待している」

 知事会は25日、47都道府県の交付金不足額が約5000億円に上るとの調査結果を発表済み。なのに、西村大臣はまるで他人事。知事会が増額を求めているのは、西村大臣の言う「地域の実情」に合わせ、中小企業支援や医療体制強化に動こうとしているにもかかわらずだ。交付金を出し渋るクセに「支援を期待」とは、いったいどの口が言うのか。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。

「地域によって感染状況も対策も異なる中で、『3兆円でよろしく』とは、それこそ地域の実情が分かっていない。地域住民の要望に沿った対策の打てる都道府県や市町村といった基礎自治体に、使途自由なお金と権限を渡すべきです。予備費10兆円を計上したのだから増額できるし、そもそも、地方創生を掲げているのだから、第1次、第2次予算に交付金として10兆円を計上してもよかったはず。あの東日本大震災の時、当時の民主党政権に『自治体に自由なカネを出せ』と詰め寄っていたのが何を隠そう、野党時代の自民党です」

 地方が悲鳴を上げているのに安倍首相は国会閉会後から雲隠れ。今月初旬に健康不安説が浮上してから国のコロナ対策はずーっと停滞し続けている。

 このコロナ禍に、中途半端な形で総理の座にしがみつかれても、国民はたまったものではない。

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