二階氏べったり…国政復帰に向けて早くも動き出した女帝知事の命運【小池都政の化けの皮を剥ぐ】

二階氏べったり…国政復帰に向けて早くも動き出した女帝知事の命運【小池都政の化けの皮を剥ぐ】

自民党の二階幹事長にべったりの小池都知事(C)日刊ゲンダイ

【小池都政の化けの皮を剥ぐ】#3

「菅新総裁で決まり」の今、小池知事は何を思うのか。

 彼女にとって国政の行方は吉と出るのか凶と出るのか、駆け出しの都政ウオッチャーとしてはたいへんに興味深い。菅官房長官は「Go To キャンペーン」で「圧倒的に東京の問題」と言い切っていた、いわば小池知事の天敵である。一方、菅新総裁誕生をお膳立てしている二階幹事長とは誰もが知る昵懇の仲だ。さて、このねじれた政治状況を小池知事はどう泳ぎ切ろうとしているのか。

 まず、この話題を語る時、再選を勝ち取ってから1カ月余りの小池知事が必ずや任期途中で知事の座を投げ出して国政復帰の道を探る――というのが大前提になってくる。先日、本庁のある部長に「小池さんは国政に戻るのかな」と軽く水を向けると、間髪入れず「当たり前ですよ」と真顔で返された。都庁ではそういう認識が(希望的観測も含めて)一般的であるらしい。

 小池知事の国政復帰のタイミングは衆院選次第だろう。その衆院解散は、世上では今年の10月か来年の10月が有力と言われている。新首相誕生直後の10月に選挙が実施されると小池知事の出番は当分の間なくなってしまうが、1年後であればその間の情勢変化によって様々な可能性が芽生えてくる。今ごろ、小池知事は二階さんに猫なで声でおねだりしているのではないか。想像するとちょっとキモい。

 だが、解散権は天敵の菅首相が握ることになる。残念ながら小池知事は、自分の運命を自身でコントロールできる立場にないのだ。

■次回の都議選で三下り半を突き付けられる都ファ議員

 仮に1年間の猶予を与えられた場合、最もあり得るケースは、オリンピック中止を奇貨として(あるいは、無観客のさびしい五輪をやった後)、開催都市の長としての責任を取る形で都知事の職を辞すというシナリオだ。辞任後数カ月の猶予期間を経て、衆院選に再チャレンジというのが一番わかりやすい。その際、無所属なのか、どこかの政党の公認や推薦を得るのか。二階氏べったりの小池知事だが、自民党の国会議員の評判は最悪だ。自民党の中に彼女の居場所を探すのは相当に難しい。考えられるのは維新の会あたりだろうか。しかし、それでは存在感がまったく出ない。知事をだらだら続けていたほうがまだマシだろう。

 もうひとつ忘れてならない重要なファクターがある。1年後に実施される都議会議員選挙である。3年前、都民ファーストの会(略して都ファ)が圧勝し、仮想敵の都議会自民党が壊滅的敗北を喫したあの選挙だ。鍵を握るのは、都議会自民党である。

 今年7月の都知事選では、敵対関係を大人の事情でさやに収め、小池再選を容認した。だが、都議選は選挙区ごとの局地戦・個人戦である。小池与党の都ファに手心を加えるわけがない。

 1年後、都議会の勢力図は一変するだろう。それを見越して小池知事は既に都議会自民党ににじり寄っている。都ファ・公明連立から自公連立に舵を切る心積もりと見ていいだろう。それもこれも、自民党へのラブコール、国政復帰へのステップ・バイ・ステップなのである。

 そうなると、生きた心地がしないのが大量の都ファ新人議員たちである。女帝からいつ三下り半を突き付けられるかと怯えているのだ。彼女を信じて従った者がいとも簡単に切り捨てられる構図は、市場移転問題で経験済みだ。今回もまた、数多くの犠牲者が出るだろう。

 これから1年、都民は小池百合子という政治家の自分ファーストでえげつない行動を目撃するに違いない。

(澤章/東京都環境公社前理事長)

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