国民がのけぞった菅氏のスカスカ演説 “原稿棒読み”まで継承のア然

国民がのけぞった菅氏のスカスカ演説 “原稿棒読み”まで継承のア然

官僚原稿も継承(C)JMPA

演説を聞いた国民が次期首相にふさわしい人を選ぶなら、石破元幹事長の圧勝だったのではないか。安倍首相の後継を決める自民党総裁選が8日告示され、石破氏、菅官房長官、岸田政調会長の3候補が所見発表演説会に臨んだ。

 トップバッターの石破氏の演説には熱がこもっていた。

「勇気と真心を持って真実を語る。それだけが政治家の仕事なのだ」

 35年前に渡辺美智雄元副総理から聞いたこの言葉が自分の政治家としての原点だと語り、「今こそ、納得と共感の政治」「グレートリセット、もう一度、この国の設計図を書き換えていく」と訴えたのだ。

 時代認識についても披歴。この国の100年を振り返った時、平成の30年間で民主主義も資本主義も大きく変質を遂げたこと。そして何より、戦争が終わったこと。権力とメディアが癒着し、軍部も政治家も保身に走り、個の利益を優先した結果、国は悲劇の道を歩んだ。その悲劇を決して繰り返してはならない、正しい情報が有権者に与えられなければ民主主義は機能しないと語りかけた。

「原稿に目を落とすことなく、しっかり前を向いて広く国民に訴えかけていた。石破氏の迫力に圧倒されたわけではないでしょうが、続けて演説した菅氏はひたすら手元の原稿を棒読みし、安倍政治の自画自賛に終始。大臣の政治資金パーティーで空虚なスピーチを聞いている気分になりましたが、これが彼の限界なのでしょう。石破氏の演説との落差は歴然ですが、それでも自民党は派閥談合で菅氏を新総裁に選ぶ。そういうペテン政治継承を御用メディアは断罪しようともしない。メディアが権力におもねると国を誤るという石破氏の危機感が、今まさに目の前で繰り広げられているのです」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 菅氏の演説がいきなり、「今日の礎を築いてくれました安倍晋三総裁に対し、この場をお借りし、心からの敬意を表明するとともに、その卓越した指導力と判断力にあらためて最大限の賛辞を送らせていただきたい」と、“安倍マンセー”から始まったのには、国民ものけぞったのではないか。

■“何も変わらないから安心して”

 その後は「迎賓館を開放した」「全国のダムの事前放流をできるようにした」、さらには携帯料金、ふるさと納税、インバウンド、地価上昇などの“実績”をアピール。どれも不要な政策とは言わないが、総裁候補の所見演説にしてはチマチマし過ぎてやしないか。まったくビジョンが感じられない。

「安倍政治の継承しか言わないスカスカ演説でした。国民に向けて将来の展望を語るのではなく、党内向けに『何も変わらないから安心して』とアピールしたのです。これが総裁候補“本命”の演説なのか。あまりに後ろ向き、内向きの発想で悲しくなります。岸田氏にしても、立ち位置が中途半端で何がしたいのか分からない。安倍政治との決別を宣言し、国民目線で語る石破氏の演説が際立つのは当然です。官僚が用意した原稿ではなく、自分の言葉で国家観を語れる政治家に日本を任せたいと、3候補の演説を聞いた国民、自民党員は思ったのではないでしょうか」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 菅政権では官僚原稿の棒読み、繰り返しが続くのだろう。野党や国民との対話を拒否した独断専行も含めて、安倍政治の継承ということだ。自民党員や国民は、本当にそれでいいのか。

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