菅首相“お忍び”朝食会をセッティング…早くも始めた「マスコミ懐柔」

菅首相“お忍び”朝食会をセッティング…早くも始めた「マスコミ懐柔」

菅首相は会見の場で記者と対峙してはどうか(C)共同通信社

「メディア対策か」――。菅首相がマスコミ出身者を首相補佐官に起用したことについて、永田町でこんな声が上がっているが、菅首相は早速、次の一手に踏み込んだ。記者クラブとの“お忍び”朝食会を開催するというから驚きだ。

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 関係者によると、首相官邸で報道対応を担う官邸報道室が30日までに、内閣記者会に常駐で加盟するマスコミ19社に対し、首相と秘書官が同席する朝食懇談会への参加を呼び掛けた。

 朝食会は、中身を報じないことを前提とした「オフレコ」で開催される。官邸サイドは、全国紙やブロック紙、NHKと民放キー局など常駐社の約60人もの首相番記者全員に、2回に分けた朝食会に各社人数に偏りなく参加するよう要請している。常駐社以外のラジオや雑誌社などには通知は来ていない。

 臨時国会の召集は今月23日となる見込みで、菅首相は現状、国会で所信表明すら行っていない。コソコソと“舞台裏”で大手メディアと懇親するより、もっと早く国会を開くべきだろう。総裁選で「口下手」が露呈し、国会から逃げている。

 メディア関係者は「首相との懇談会は各社1人出席が通常。首相番全員を対象とするのは異例です。菅首相は焦っているのか、よほど記者らを懐柔したいのだろう」と話した。言うべきことがあるなら、公務後のぶら下がりや国会など“表舞台”で堂々と表明すればいい。

国会で所信表明もまだなのに

 朝食会参加を拒否した社もあるとはいうが、菅首相の思惑に乗っかる大マスコミもどうかしている。

 官邸報道室に問い合わせると、「通知したペーパーやメールの履歴がないので(会開催の事実自体を)確認できない」と回答。記者会(幹事社・NHK、西日本新聞)は「取材の過程に関わるので回答は差し控える」と示し合わせたかのようにダンマリである。

「安倍前首相もメディア関係者と懇親してきましたが、相手は幹部がメインでした。菅首相が現場の記者と会うのは、懐柔の他に情報収集が目的ではないか。共同通信出身の柿崎明二氏を補佐官に登用したのも、同じ狙いがあるように見えます。現場の記者が何を追いかけているのか分かれば、事前に対策を練ることができる。解散時期を含めた今後の政治日程を考える上で、重要な情報でしょう。メディアは距離感に気を付けなければいけません。首相とはオープンな会見の場でやりとりすべきです」(法大名誉教授の須藤春夫氏=メディア論)

 菅首相は官僚人事について政権の政策に反する幹部は「異動してもらう」と明言していた。役人にはムチを、マスコミにはアメをということか。

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