トランプがコロナ陽性で緊急入院 大統領選は決行できるか

【ドナルド・トランプ米大統領がコロナ感染】バイデン氏も高齢者で体調に懸念も

記事まとめ

  • ドナルド・トランプ米大統領のコロナ感染が判明し、米軍の医療施設に入院した
  • トランプ氏にとって感染は再選への大打撃で、リードするバイデン氏にますます有利にも
  • 万が一、両候補が死去しても、11月3日の投票日を延期することはできないという

トランプがコロナ陽性で緊急入院 大統領選は決行できるか

トランプがコロナ陽性で緊急入院 大統領選は決行できるか

激しいののしり合い(C)ロイター

言わんこっちゃない展開だ。新型コロナウイルスを軽視する発言を繰り返してきたトランプ米大統領(74)の感染が2日、判明。米軍の医療施設に入院した。高齢の上、見ての通りの肥満体で重症化リスクが高い。テレビ討論会でつばぜり合いを演じた民主党のバイデン前副大統領(77)の体調も懸念される。1カ月後に迫った大統領選は一体どうなるのか。

「史上最悪」と評された先月29日のテレビ討論会。マスクもアクリル板もなしで臨んだトランプとバイデンは90分あまりやり合い、トランプは71回、バイデンは22回も相手の発言中に割り込み。まさに口角泡を飛ばすやりとりだった。バイデンの飛沫感染が疑われるわけである。

 選挙活動が制限されるトランプにとって、感染は再選への大打撃。状況はリードするバイデンにますます有利になりそうだが、共に高齢者だ。バイデンは2日に受けた検査で陰性だったものの、ひょっとすると11月3日の投票日前に2人とも神に召されている可能性もある。前代未聞の事態になれば、大統領選はどうなるのか。上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)はこう言う。

■異例中の異例「故人投票」も

「万が一、両候補が死去しても、法律に基づいて決められた11月3日の投票日を延期することはできません。共和党、民主党とも党大会に代わる全国委員会を開き、新たな候補者を選出するのが通常の手続きですが、時間がない。しかも、全米で120万人が期日前投票を済ませている。候補者死亡を受けてもトランプVSバイデンで争う可能性はあると思います。その場合、当選者の副大統領候補が就任する線が有力ではないでしょうか。死者への投票については上院選で前例があります」

 2000年の上院選では、ミズーリ州の候補だったメル・カーナハン氏が投票日の3週間前に飛行機事故で死亡。カーナハン氏の候補者登録は抹消されず、当選した。

 トランプ・ショックは東京市場も直撃。日経平均株価は急落して一時300円近く下げ、2万3029円90銭で引けた。為替も1ドル=105円半ばから一時、104円台まで円高進行。金価格も上昇するなどリスクオフの動きが広がる。週明けは2万3000円台を割り込み、ジリジリ下がる恐れもある。

「大統領選の先行き不透明感が強まりました。ドル売りが進み、円高が加速する可能性があります。9月の日銀短観によると企業の想定為替は1ドル=107円30銭。さらなる円高は輸出企業の収益を圧迫し、株安にもつながりそうです」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)

 この2週間、トランプとバイデンの動向から目が離せない。

緊急入院のため専用ヘリで軍施設へ

 新型コロナウイルスの感染が確認されたトランプ米大統領は2日午後6時すぎ(日本時間3日午前7時すぎ)、ホワイトハウスからワシントン郊外にある軍医療センター「ウォルター・リード」に搬送された。当初はホワイトハウス内で隔離措置を取りながら公務を続けるとしていたが、一転、入院となった。

 トランプは紺のスーツにブルーのネクタイ姿で報道陣に手を振りながら、大統領専用ヘリ「マリーンワン」に歩いて乗り込んだ。

 ホワイトハウスはこれに先立ち、大統領は数日間入院し、病院内の執務室で職務に当たると発表した。

 複数のメディアによると、トランプは2日朝から発熱、せき、鼻づまりの症状があり、午後は倦怠感もあった。米製薬会社リジェネロンが開発、臨床試験中の抗体医薬の点滴投与を受けているという。


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