日本学術会議の会員任命拒否 衆院内閣委で新たな「火ダネ」になりそうな質疑が

日本学術会議の会員任命拒否 衆院内閣委で新たな「火ダネ」になりそうな質疑が

7日、閉会中審査が行われた衆院内閣委(菅首相=左)/(C)共同通信社

「政府の姿勢に強く憤りを覚える」

 立憲民主党の枝野幸男代表がカンカンだったのも当然だろう。野党側が何を聞いてもきちんとした説明が何もなかったからだ。

 7日、日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を菅義偉首相が拒否した問題などをテーマに閉会中審査が行われた衆院内閣委員会。野党側は「学術会議が会員候補を推薦し、首相はこれに基づいて任命する」と規定した日本学術会議法や、任命は「形式的なものに過ぎない」とした1983年の政府答弁を踏まえ、菅首相が6人を拒否した理由や正当性をただした。

 ところが、政府側は「学術会議法の解釈を変更したものではない」(三ツ林裕巳内閣府副大臣)と答弁する一方、公務員の選定罷免権を定めた憲法15条に触れながら「必ず推薦の通りに任命しなければならないということまでは言及されていない」(内閣府の大塚幸寛官房長)などと答えていたからクラクラする。

 内閣委では、木村陽一内閣法制局第1部長が「推薦に基づき全員を任命する」とした83年当時の内部資料が存在していることを明かしていたが、その解釈を変更していないのであれば、菅首相は「形式的」に任命すればいいだけ。それを今回、捻じ曲げて6人を拒否したため、理由が問われているのに「具体的な選考過程については答えを差し控えたい」(三ツ林副大臣)などと言い放つ始末だった。

■丁寧に説明と言いながら逃げる「安倍答弁」を継承

 菅首相は「丁寧に説明しながら、ご理解をいただくよう努めたい」と発言したと報じられたが、「丁寧に説明」と言って逃げまくった安倍前首相と同じではないか。

 モリカケ問題や桜疑惑と同様、政府の不誠実な態度がまた続くのかと思うとウンザリするが、内閣委では今後の「火ダネ」になりそう質疑があった。

「首相は一定の監督権を行使できる」とした2018年の内閣府見解をめぐるやり取りで、首相官邸の指示の有無を問われた内閣府日本学術会議の福井仁史事務局長が「指示に基づき(策定を)始めたものではない」と答えていたことだ。

「この答弁は不自然でしょう。そうであれば、学術会議はなぜ、どういう理由で策定しようと考えたのか。この前年の17年といえば、安倍政権が防衛省の安全保障技術研究推進制度の予算を約20倍に増やすなど軍事研究に力を入れる姿勢を示したことに対し、学術会議が『政府による研究への介入が著しく、問題が多い』と表明した時です。おそらく政権側はこの声明に怒って介入を決めたと考えるのが自然です。今後、内閣府の学術会議事務局で何らかの政府関与の文書が出てくるかもしれません」(野党議員)

 19年7月から事務局長に就いている福井氏は、それまで公文書管理を担当する内閣府大臣官房公文書監理官。桜疑惑では内閣府の公文書管理をめぐる問題が注目されたが、「アベ政治の負の遺産」があちこちに残っていそうだ。

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