日本学術会議バッシングの裏に…菅首相10年越しの「私怨」か…新たな疑惑浮上

菅義偉首相の日本学術会議での任命拒否、10年越しの「私怨」か 学者叩きに新疑惑

記事まとめ

  • 菅義偉首相の日本学術会議での任命拒否は、長年の鬱憤を晴らした疑いが強いという
  • 菅首相は10年前、学術会議の政府に対する法に基づいた勧告に「越権の疑い」と問題視
  • 首相は「名簿は見ていない」と発言し、推薦を取り次いだ「謎の第三者」に責任とも

日本学術会議バッシングの裏に…菅首相10年越しの「私怨」か…新たな疑惑浮上

日本学術会議バッシングの裏に…菅首相10年越しの「私怨」か…新たな疑惑浮上

菅首相(C)日刊ゲンダイ

もはや「居直り強盗」級の邪悪な印象操作だ。日本学術会議の新会員候補6人除外問題で、菅政権の論点ずらしは過熱の一途。9日は、河野行革相が学術会議を“ムダ撲滅”の対象にロックオン。「予算や機構、定員について聖域なく見ていく」と意欲を燃やす中、狂気の学者たたきに新たな疑惑が浮上だ。ズバリ、菅首相の「私怨」隠しである。

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 河野大臣は自身のツイッターにも「政府の全ての支出は、最初から行政改革の対象」と投稿。ところが、1億円近い税金を投じる中曽根元首相の高額合同葬はスルーだ。感染対策で参列者同士の間隔を広げた結果、当初の会場に収まらず、別会場を借りて予算増――と、本紙(日刊ゲンダイ)がムダを指摘しても、見直す気はない。

 自民党の下村政調会長も、学術会議の在り方を検討するプロジェクトチームを設ける方針を発表。「10年以上、(政府に)答申を出していない」と攻撃するが、2007年を最後に政府が諮問していないのだから、答申が出ないのは当たり前。「活動が見えない」との批判も言いがかりだ。

 学術会議は08年以降、321本の提言と10本の報告を政府に提出。今年も教育のデジタル化やプラごみ対策など83本の提言・報告を公表している。年間10億円強の予算のうち運営費を除く5億円は、見解をまとめる会議出席の際の日当や国内外の旅費に充て、「秋ごろになるとお金がなくなって『後は自腹でお願いします』と言われた」(元会員で法大教授の杉田敦氏)。この実情を文教族の下村氏が知らないなら、単なる勉強不足だ。

10年後にまさかの“感情爆発”

 大体、学術会議の閉鎖性にイチャモンをつける前に自分たちはどうなのか。河井夫妻への1.5億円提供などカネの使途は不透明。下村氏自身、加計学園からの200万円の闇献金疑惑について、3年前に「都議選が終わった後に丁寧に説明する」と言ったきり。現在まで説明を避けている。

 そもそも菅首相の任命拒否も、長年の鬱憤を晴らした疑いが強い。菅首相は10年前、学術会議の政府に対する法に基づいた勧告にケチをつけていた。

「科学技術基本法の見直しを求め、具体的な予算措置の必要性にも踏み込んだ内容に、衆院議運委の自民党筆頭理事だった総理が『財源措置にまで踏み込む勧告内容は越権の疑いがあり、看過できない』と問題視したのです」(自民党関係者)

 ただ、当時は自民の野党時代。党内は「政権を利する必要はない」と菅氏に同調するムードはなかった。この問題を報じた7日付の神奈川新聞は「今回の措置の引き金の一つとなった」と自民党や政府関係者の見方を紹介していた。

 10年後にまさかの首相就任で感情爆発。任命拒否について「総合的、俯瞰的」を連発し、説得力ある説明ができないのはそのためなのか。学術会議への政権や自民党を挙げてのネガティブキャンペーンは、菅首相の「私怨」隠しの忖度にも見える。

 追い込まれた菅首相は「任命を決裁する段階で6人は除外され、候補リストは99人だった。推薦段階の名簿は見ていない」と発言。学術会議の推薦を取り次いだ政府内の「謎の第三者」に責任をなすりつける始末だ。

 いよいよ、ヤクザの難クセよりもタチが悪くなってきた。


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