学術会議の任命拒否問題で野党が注目「内閣府の谷査恵子氏」の正体

学術会議の任命拒否問題で野党が注目「内閣府の谷査恵子氏」の正体

突然説明を変えた菅首相(左は日本学術会議事務局)/(C)日刊ゲンダイ

日本学術会議が推薦した会員6人の任命が拒否された問題で、これまで再三、繰り返していた「総合的・俯瞰的な観点に立って判断した」から突然、「推薦者リストを見ていない」との説明に変わった菅首相。リストを見ないで何を「総合的・俯瞰的に判断」したのかサッパリ分からないが、いずれにしても安倍前政権の森友問題同様、「誰が」「いつ」「どんな発言をしていた」のかが国会で問われる事態になるのは間違いない。

 そんな中、野党側は“内閣府の谷査恵子氏”と呼ばれるキーパーソンの存在に注目しているという。

 谷氏といえば、経産省職員から安倍昭恵夫人付きとなり、森友学園の国有地売却問題では自ら財務省に問い合わせたり、森友の籠池泰典理事長(当時)とファクスでやり取りしたりするなど「疑惑の全容」を知ると言われた人物。

 当時、野党は谷氏の証人喚問を求めたものの、本人は雲隠れを続けた揚げ句、在イタリア大使館1等書記官に“高飛び”。結局、真相はうやむやになってしまったのだが、今回の学術会議問題でも谷氏のような存在がいるというのだ。

「内閣府職員で日本学術会議事務局にいた女性職員W氏です。内閣府は2018年に『日本学術会議法第17条による推薦と首相による会員の任命との関係について』と題した文書をまとめていて、ここには『首相は、会員の任命権者として、日本学術会議に人事を通じて一定の監督権を行使することができる』『首相に日学法第17条による推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えない』とあります。

 菅首相はこれを論拠に今回の任命拒否に踏み切ったと思われるのですが、なぜ、学術会議事務局がこの時、わざわざ法解釈の変更に踏み込んだのかが分からない。おそらく当時の安倍前政権の官邸側から何らかの圧力があったのでしょう。内閣法制局が公表した学術会議事務局との応接録には、その時の法解釈について相談した学術会議事務局の女性職員のW氏が出てくる。谷氏と同様、疑惑のカギを握るキーパーソンです」(野党国会議員)

 確認すると、このW氏は現在、岡山県中南部にある市の部長級職。市の広報にも顔写真入りで登場し、「内閣府では、科学者の代表機関である日本学術会議の事務局で、重要事項の審議などに関する事務を行っていました」と自己紹介している。

 早速、日刊ゲンダイが事実関係について市に電話取材すると、なぜか、決まって本人は「会議」「出張」を理由に不在続き。ならばと、ファクスでW氏あてに質問用紙を送り、なぜ首相の任命義務について法制局に相談したのか、官邸側の働きかけはあったのか――などを問いただしたが、全く音沙汰ナシだ。なるほど、雲隠れのマニュアルがあるのかと思うほど、谷氏そっくりの対応ではないか。

「国民全体の奉仕者として、憲法や法律に従って、公正に職務を遂行したい」

 2009年4月の内閣府の入府式で、40人の新人職員を代表してこう宣誓したW氏。憲法にも法律にも従っておらず、およそ公正な職務とは言えない菅政権の姿勢をどのように考えているのか。

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