やっぱり? 組織委も警察も「東京五輪中止」折り込みのドタバタ人事

やっぱり? 組織委も警察も「東京五輪中止」折り込みのドタバタ人事

森組織委会長はどうしてもやりたい(左はコーツIOC調整委員長)/(C)日刊ゲンダイ

欧州で新型コロナウイルス第2波が猛威を振るい、開催が危ぶまれる東京五輪。国際オリンピック委員会のバッハ会長は28日、韓国SBSテレビのインタビューで、中止論について「臆測だ」と吐き捨てた。

 ところが、日本国内の“現場”は「中止」も想定しているのか、大慌てだ。

「都やスポンサー企業から大会組織委員会に出向していた職員が、続々と『帰任』している。1年間の延期に伴い、組織委は契約を延長させるのかと思いきや、多くの職員が戻った。開催中止が視野に入ってきたからではないか」――。

■延期決定後、出向職員300人が「帰任」

 ある組織委関係者は日刊ゲンダイにこう語った。2014年1月に組織委は職員60人前後で発足した。大会時に約8000人に増やす計画となっている。ところが、延期決定後の今年4月に3800人超だった職員は現在、約3500人にまで減少しているのだ。「延期決定後、毎月数十人単位で職員が帰任している」(前出の組織委関係者)という。

 ホストシティーである東京都の関係者はこう話す。

「都からは昨夏時点で1500人程度が組織委に出向していましたが、続々と戻ってきています。今夏までに400〜500人が帰任しました。現在、組織委に残っている職員は『大会に関する動きがなく、上から指示が下りてこない』『いつまでここにいなければいけないのか』と不安がっています」

 延期に伴う一時的な帰任なのかもしれないが、いったん戻してしまえば再度、組織委に出向させるのは簡単ではない。

「都庁ではコロナ対策のために新設された組織に人が割かれている。慢性的な人材不足で、再び組織委に出すのは物理的に厳しい。スポンサー企業に帰任した職員についても、既に別の仕事についているケースが多く、簡単には組織委に行けないだろう」(都政関係者)

 やはり、中止を視野に入れているから、職員を帰任させているのか。組織委に帰任理由と再出向受け入れ予定について聞くと、「出向期間の満了、事前準備業務の終了及び大会本番時の運営業務従事予定者の帰任などが主な帰任理由」(戦略広報課)と文書で回答したが、再出向予定については具体的に答えなかった。

「五輪中止」の兆候は、警察人事からも見て取れる。8月末、五輪警備の中核を担うことを期待されていた警視庁警備部長が北海道警本部長に異動。警察庁も警備が専門だった五輪担当審議官の後任に“門外漢”が就任。「警備のプロの首がすげ替わったことで、警察庁内では『やっぱり中止なのか』との声が上がっている」(霞が関関係者)という。

 菅首相は所信表明で「感染症に打ち勝った証しとして開催する」と言ったが、中止となれば「感染症に負けた」ことになりかねない。

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