米国内乱と凋落「怨念」がもたらす…東西海岸vs中央部は19世紀の様相

米国内乱と凋落「怨念」がもたらす…東西海岸vs中央部は19世紀の様相

暴動に備え頑丈なフェンスで囲むホワイトハウスや行政府ビル(C)ロイター

今回の大統領選で決定的に強まったのが分断による米国民の「怨念」だ。トランプ支持の保守派とバイデン支持のリベラル派の対立が激化。最新の調査によると、「米国の政治を変えるには力が必要」と考える人は共和党支持者で4割、民主党支持者で6割と、リベラル派の方が過激化の兆候を示している。

 国際政治経済学者の浜田和幸氏が言う。

「リベラル派をたきつけているのが、かつてWTO粉砕を呼び掛けたリサ・フィシアン氏という女性の極左活動家です。彼女は『トランプに反対する者は全員、武器を持って立ち上がれ』と扇動。4〜6日の3日間でホワイトハウスに押しかけてトランプ氏を追放するようゲキを飛ばしています。

 ワシントンDCのミュリエル・バウザー市長は民主党所属の黒人女性のため、暴動を取り締まる州兵の出動に消極的ともみられている。これまで保守とリベラルの人たちは友好的に政治談議をしていましたが、今後は怨念ともいえる憎しみが高まるのは間違いありません。家族や職場の同僚との人間関係がズタズタになり、関係修復には何年もかかるでしょう」

 フィシアン氏はワシントンだけでなく、全米の主要都市での武装蜂起を呼びかけているから、あちこちで暴動が起きる可能性は高い。そうなれば一種の内戦だ。

 19世紀の米国は南部と北部に分断されて南北戦争が勃発した。21世紀はバイデンが勝利したニューヨーク州がある東海岸とカリフォルニア州がある西海岸の“連合軍”に、トランプが勝ったテキサス州などの中央部の“連合軍”が立ち向かうことになる。

「東西の海岸部には教育水準の高い人が住み、中央部には農業や古い工業に従事する人たちが住んでいる。両者は文化的に融和できないのです。米国が内乱状態になれば、人々は怖くて買い物もできず、物流は止まって景気はさらに悪化。外国のビジネスマンは米国を危険地帯と見なして投資を控えるはずです。その結果、米国の有能な人材がヨーロッパなどに流出してしまうでしょう。対立の怨念は米国の凋落に拍車をかけるのです」(浜田和幸氏)

 プーチン氏や習近平氏の高笑いが聞こえてきそうだ。

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