プーチン大統領「パーキンソン病引退説」に透ける政治的思惑

プーチン大統領「パーキンソン病引退説」に透ける政治的思惑

プーチン・ロシア大統領の病気説は自作自演?(C)ロイター/Sputnik/Aleksey Nikolskyi/Kremlin

ロシアのプーチン大統領(68)がパーキンソン病で来年初めに引退――。今月6日、英紙「サン」がこんなニュースを報じた。プーチンの映像を見た専門家が、脚が絶えまなく動き、ペンを持つ手が痙攣しているように見えると指摘。クレムリン(ロシア大統領府)の内情に詳しい政治評論家のソロベイ氏は、パーキンソン病の兆候があると示唆し、プーチンの恋人で新体操選手だったアリーナ・カバエワ(37)は権力の座から離れるよう求めているという。

 日本のメディアは米大統領選一色となり、大きく報じなかったが、ヨーロッパでは注目のニュースだった。

 クレムリンでは今月に入って、議員グループが大統領経験者には、生涯にわたって刑事訴追からの免責が付与されるという法案を提出した。KGB出身のプーチンは、これまで暗殺などの疑惑がささやかれてきた。免責という特権を手にしてから病気引退するつもりではないかと騒がれた。

手足の痙攣

「引退説はフェイクニュースでしょう」とは国際政治経済学者の浜田和幸氏だ。

「カバエワさんのほか、プーチン氏の2人の娘も、彼の健康を心配して休養してはどうかと勧めたというのが真相のようです。たしかに彼は手足の痙攣のほか、歩くときに肩が傾いているとか背中に痛みを感じる、腕が痛くて痛み止めを服用しているなどの健康不安説が出ました。柔道の黒帯を持つマッチョマンだから少しでも様子がおかしいと大袈裟に騒がれるようです」

 浜田氏によると、プーチンは故郷サンクトペテルブルクに延命医療センターを設立し、100歳まで元気に生きられる技術の開発を命じているという。目的は旧ソ連の国々の元首とともに長生きし、かつてのソ連を復活させること。だからこそ大統領を辞めるわけにはいかないという。

 今回のパーキンソン病引退説には、政治的な思惑もありそうだという。

「プーチン氏が自発的に病気引退説を流したとも考えられます。こうした噂を広めると、クレムリンの中でプーチン氏に反感を抱いていた人物が大統領の座を脅かす動きを見せるもの。獅子身中の虫を見つけるための“観測気球”として、プーチン氏が自らパーキンソン病説を流したのかもしれません」(浜田和幸氏)

 元スパイのプーチンにとって情報戦は朝飯前。「次は誰を粛清するか」とメモを作っているのだろうか。

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