「政権移行」ゴネまくるトランプ氏が誘発…東京五輪“テロ勃発”の危機

「政権移行」ゴネまくるトランプ氏が誘発…東京五輪“テロ勃発”の危機

いつまでゴネる気なのか(公務にあらわれたトランプ米大統領)/(C)ロイター

「共に働くことを楽しみにしています」――。菅首相は米大統領選を制したバイデン前副大統領にこう祝意を表明。12日、初の電話会談に臨んだ。米国では敗北拒否のトランプ大統領のせいで政権移行が進まない。自分ファーストのゴネまくりに指をくわえていると、恐ろしい事態に発展する可能性がある。来夏の東京五輪で凄惨なテロが勃発しかねないのだ。

  ◇  ◇  ◇

 来年1月20日の次期大統領の就任式に向け、米国は本来なら政権移行期間のはずだが、トランプ氏は「不正があった」と訴訟を乱発。負けを認めようとせず、移行作業が停滞している。

 政権移行は米国の法律に基づき、連邦政府資産を管理する一般調達局(GSA)が選挙結果を確認することから始まる。GSAの確認を経て、次期大統領サイドは連邦政府から600万ドル(約6・3億円)の移行予算を受けることが可能になる。一般的に、GSAはメディアの当確判定後24時間以内に速やかに勝者を確定する。

 ところが、トランプ氏が指名した現GSA長官はバイデン氏勝利を認めていない。事実上のトランプ氏による“妨害”で、政権移行が停滞する異例の事態に陥っているのだ。

「客観的に見てバイデン氏の勝利は確実ですから、トランプ氏はいずれ敗北を認めざるを得なくなるでしょう。政権発足時には長官や副長官といった主要幹部の人事が決まっていないと、コロナ対策などを迅速に進めることができない。長期の停滞は米国社会にマイナスしかもたらしません」(国際ジャーナリスト・堀田佳男氏)

 トランプ氏のワガママはさらに深刻な事態を招く可能性がある。2000年の大統領選も決着まで1カ月以上かかり、政権移行期間が37日間に短縮。翌年に起きた「9・11」同時多発テロを検証した報告書は、短縮によって主要幹部人事が滞り、テロ対策の遅れにつながった可能性を指摘。政権移行の停滞がテロ組織にスキを与え、約3000人もの死者を出したテロの遠因となったともいえるのだ。

菅政権に対応能力ナシ

 9・11の首謀者とされるウサマ・ビンラディンの姪ヌール・ビンラディン氏が最近、ツイッターに「バイデン氏が勝てば第2の9・11テロが起きる」という趣旨の投稿をしたが、危険なのは米国内に限らない。来夏に控える世界最大級のイベント「東京五輪」も格好のテロの標的だ。日本政府もウカウカしているわけにはいかないだろう。菅政権はまさかの事態に対応できるのか。

「過激派組織によるテロの対策については、総理大臣や外務大臣ら4大臣が中核となる『国家安全保障会議』が主に担っています。独自の諜報ルートを持っているでしょうが、これまで日本国民が過激派組織に拘束・殺害された事件への対応は心もとないものでした。特定の活動拠点を持たず、実態も見えづらいテロ集団に関する情報収集は、米国のCIAやNSCといった海外の機関に頼らざるを得ない状態です。独自にハイレベルな諜報能力を持っているとは言えません」(軍事評論家の前田哲男氏) 

 ただでさえ、コロナ対策で東京五輪はてんてこ舞い。これ以上、米国の政権移行が停滞するなら、いっそ中止を決めた方が無難ではないか。

関連記事(外部サイト)