医療機関への協力金はたった30億円…あまりに冷淡な小池知事のコロナ対策【小池知事「伏魔殿都政」を嗤う】

医療機関への協力金はたった30億円…あまりに冷淡な小池知事のコロナ対策【小池知事「伏魔殿都政」を嗤う】

新型コロナウイルスの感染対策の徹底を呼び掛ける東京都の小池百合子知事(C)共同通信社

【小池知事「伏魔殿都政」を嗤う】#9

 新型コロナの感染拡大が止まらない中、小池知事が新型コロナ対策の補正予算案を編成すると表明した。

 今回の補正予算は2300億円規模というが、今年度に入り、数千億円規模の補正予算の編成はなんと5度目である。これで東京都の新型コロナ対策費は1兆8千億円を優に超えることになる。しかし、一自治体として破格の対策費をもってしてもコロナ収束の見通しは立たず、新型コロナの第3波の襲来は現実のものになっている。

 今回の補正予算で医療機関への協力金はわずか30億円。医療機関や医療従事者への謝意を口にする小池知事だが、ゼロがひとつ違うだろう。あまりに冷淡としか言いようがない。

 東京都は度重なるコロナ支出によって、自治体の貯金である財政調整基金を使い果たした。今後、都税収入の急減は避けられず、都財政に残された道は都債の大量発行。つまり、将来に禍根を残す借金頼みしかない。2期目がスタートしたばかりの小池知事が自由に使える予算は1円も用意されていないのである。

■小池知事のコロナ対策は突っ込みどころ満載

 11月上旬の都庁は議会モードに入っていた。連日、決算特別委(決特)の全局質疑や常任委での事務事業質疑が行われ、なかでも決特には2年連続で小池知事が出席した。コロナ第1波への対応に関して知事与党である「都民ファーストの会」がヨイショ質問。知事はすかさず「ロックダウンという言葉を使ったのは、都民に危機を伝えるため」と自らを正当化してみせたが、おいおい、それは違うだろうと突っ込みを入れたくなった。

 思い返せば、東京オリンピック開催が危ぶまれた3月時点で、小池知事は何も手を打っていなかった。それが、大会1年延期が決まった途端、「ロックダウン」や「感染爆発」「重大局面」といった過激な言葉を使った“フリップ芸”を連日のように披露。国が緊急事態宣言を発令する直前には、東京都の独自案を発表し、営業自粛の対象業種を巡って国と対立する一幕もあった。

 そうかと思えば、「Go To キャンペーン」では、当時、官房長官だった菅総理の「圧倒的に東京問題」発言に反論し、「冷房と暖房を同時にかけているようなもの」とかみついていた。国にケンカを売る時はめっぽう威勢がいいが、第1波に関する民間調査のヒアリングには「現在進行中」を理由に一切応じなかった。どうやら、小池知事は「攻め」には強いが、攻め込まれると逃げ回る習性をお持ちのようである。

■「国がお決めになることですから」と責任回避?

 小池知事は、再選を決めた7月の都知事選で、米疾病対策センター(CDC)をなぞらえて「東京版のCDCを作る」と豪語した。しかし、10月1日に立ち上がった「東京iCDC(東京都感染症対策センター)」は有名どころの専門家20人を指名したに過ぎず、事務局を担う福祉保健局感染症対策部は人員不足でほとんど機能していないのが実情だ。

 横文字大好き知事の発案による「東京iCDC」は所詮、実態のない張り子の虎に過ぎない。こんな態勢で果たして冬の第3波を乗り切れるのか。都民ならずとも誰もが不安を抱かざるを得ない。

 不安はまだある。感染拡大の要因の一つとして挙げられている「Go To トラベル」や「Go To イート」について、小池知事から条件見直しや修正などの発言が聞かれないことだ。自ら旗振り役を務めた都民の都内観光に対する助成事業「もっと楽しもう!TokyoTokyo」(もっとTokyo)をどうするかについての言及もない。またぞろ、「国がお決めになることですから」と責任回避をするつもりなのだろう。

 都知事の役割とは、都民に寄り添った具体的な方策を考えて実行することだ。深刻な顔をして感染者数をメディアに告げることではない。もはやパフォーマンスばかりで無為無策の小池氏に都知事の資格はない。

(澤章/東京都環境公社前理事長)

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