比例重複の内規厳格化が「菅降ろし」の引き金に…自民党内で不満噴出

菅義偉首相の意向で自民の比例重複の内規厳格化 二階俊博幹事長は不快感あらわ

記事まとめ

  • 自民党が小選挙区と比例代表の重複立候補に関する内規を厳格に適用する方針を決めた
  • 発端は菅首相の意向で「比例復活が続く議員は甘い」と厳格に適用する考えを示したそう
  • 二階幹事長は、内規の厳格適用について「聞いていない」と不快感をあらわにしていた

比例重複の内規厳格化が「菅降ろし」の引き金に…自民党内で不満噴出

比例重複の内規厳格化が「菅降ろし」の引き金に…自民党内で不満噴出

菅首相(右)の考えに二階幹事長も不快感…(C)日刊ゲンダイ

自民党が次期衆院選に向けて小選挙区と比例代表の重複立候補に関する内規を厳格に適用する方針を決めたことが波紋を広げている。

 発端は菅首相の意向だ。2017年の前回衆院選後にまとめられた党の「基本方針」には、2回連続して比例復活の議員は「原則として重複立候補を認めない」と明記されている。菅首相は今月8日、山口泰明選対委員長と会談し、「比例復活が続く議員は甘い」と、党の内規を厳格に適用する考えを示したという。

「菅首相が急に比例重複の厳格化を言い出したのは、当選同期で親しい、日本維新の会を除名になった下地幹郎衆院議員がもくろむ自民党復党をアシストする狙いだとみられていました。下地議員の沖縄1区は、自民党現職の国場幸之助議員が2回連続で比例復活なのです。国場議員が所属する岸田派潰しの一環ともいわれている。ただ、2回連続比例復活の議員が多いのは岸田派にかぎりません。党内に動揺が広がり、不満の声が公然と上がり始めています」(自民党中堅議員)

 選挙区の有権者が「NO」を突き付けた候補者が比例復活で救われる制度の是非には議論の余地があるが、議員にとっては政治生命に直結する話だ。断行すれば、党内のハレーションは避けられそうにない。

 議員の当落は、数を競う派閥にとっても影響は大きい。所属議員を守れない領袖は求心力が低下する。それに、小沢一郎氏(岩手3区)、中村喜四郎氏(茨城7区)、枝野幸男氏(埼玉5区)など野党ベテランが強い選挙区の候補者は不利だし、比例単独候補との不公平感もある。

■二階幹事長も不快感

 二階幹事長も16日の会見で、内規の厳格適用について「聞いていない」と、不快感をあらわにしていた。実は、2回連続比例復活の議員は二階派にも多いのだ。

「菅政権誕生の立役者が二階幹事長というのは衆目の一致するところですが、この件に関しては、二階氏は首相の意向より自派閥の事情を優先するでしょう。“菅カラー”の出し方やサジ加減によっては、対立の火種になりかねません」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 党の内規には、党員獲得数や惜敗率などを勘案して例外を認めることも明記されている。来年10月までに必ずある衆院選をめぐり、例外適用を得るためのさや当てが派閥間で激化するのは必至。早くも菅降ろしが勃発しかねない状況だ。

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