吉川元農相が突然の議員辞職…鶏卵汚職疑惑で「司法取引」が成立したのか

吉川元農相が突然の議員辞職…鶏卵汚職疑惑で「司法取引」が成立したのか

21日、健康を理由に議員辞職を表明をした吉川貴盛元農相(C)日刊ゲンダイ

「鶏卵汚職事件」への関与が取り沙汰され、逮捕もあるのか――と騒がれていた自民党の吉川貴盛元農相(70)が、21日、議員辞職すると表明した。

 議員辞職する理由について吉川氏本人がコメントを発表している。慢性心不全のため入院中と改めて説明し、「近日中に除細動器の埋め込み手術を受けることが決まった」と報告。そのうえで「術後は日常生活に気を付けなければならない。国民の負託に応える十分な活動ができなくなる」と記している。あくまで体調悪化が、議員辞職の理由だとしている。

 しかし「鶏卵汚職事件」が、議員辞職の引きガネになったのは間違いない。吉川氏は大臣在任中、鶏卵大手の「アキタフーズ」の前代表から大臣室などで計500万円の現金を受け取っていた。鶏の飼育に関する国際基準が、日本の業者の不利にならないよう依頼されたと疑われている。「アキタフーズ」サイドは、東京地検に対して、500万円の授受を全面的に認めているという。農水大臣は職務権限があるだけに、金銭授受と依頼が事実なら贈収賄が成立する。

 いったい、なぜこの時期に議員辞職したのか。

「司法取引が成立したのではないか」と臆測が飛んでいる。議員辞職し、地検特捜部に“恭順の意”を示すことで、立件を免れたのではないか、という見方だ。支持率が下落している菅政権も「政治とカネ」の問題は年内に幕引きするつもりでいる。やはり、もう逮捕はなくなったのか。

 元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏はこう言う。

■逮捕はなくなった

「地検特捜部の捜査は、あくまで容疑者を逮捕し、立件するのが基本です。ただし、体調が悪くて勾留に耐えられず、容疑事実を全面的に認めた場合は、逮捕せずに在宅起訴とするケースがあります」

 入院と手術を理由に議員辞職した吉川氏は、逮捕もされず、在宅起訴で済まされておかしくない。しかし、捜査はこれで終わらないとの情報も流れている。

「アキタフーズは、誰と会ったか、いくら渡したかを“裏帳簿”と“裏手帳”に詳細に記していた。そこには、あっと驚く大物議員の名前があったと言われています。特捜部が狙う“本命”は、その大物議員だとみられている。もし、立件されたら政界に激震が走る。すでに特捜部は“裏帳簿”と“裏手帳”を手に入れているようです」(政界関係者)

 吉川氏の在宅起訴だけで終わったら、国民の検察不信が再燃しそうだ。

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