安倍前首相が桜疑惑でヒタ隠す 領収書と明細書には何が記されているか

安倍前首相が桜疑惑でヒタ隠す 領収書と明細書には何が記されているか

大きな不織布マスクで表情隠し(C)日刊ゲンダイ

“弁明”を重ねたことで疑惑は一層深まった。安倍前首相は25日、衆参両院の議院運営委員会に出席。桜疑惑について謝罪と反省の言葉を繰り返したが相変わらず口先だけで、罰金100万円の略式命令を受けた秘書らに責任をなすりつけ。野党が重ねて求めた会場ホテル発行の領収書の提出を確約せず、明細書については「ない」の一点張り。なぜ、かたくななのか。

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「私が知らない中で行われていたとはいえ、道義的責任を痛感している」

 国会で118回も虚偽答弁を重ねた安倍前首相の弁明は、国を率いる首相の座に8年近くもありながら、事務所すら統率できないというあり得ない言い訳のオンパレードだった。

 衆院で質問に立った立憲民主党の辻元清美議員は、前夜祭を主催した政治団体「安倍晋三後援会」が訂正した2017〜19年の政治資金収支報告書について追及。会場はいずれもホテルニューオータニ東京だ。「領収書等亡失一覧表」が添付され、前夜祭関連の領収書が3年分まるまる紛失扱いとなっているにもかかわらず、1円単位までキッチリ記載された矛盾を指摘した。

「公表できない宛名だったから領収書をなくしたとしているのか。例えば、(安倍前首相が代表者の)資金管理団体『晋和会』で(領収書を)切っていたら政治資金規正法(不記載)にあたり、刑事責任を問われる可能性がある。領収書の発行を受け、本当に領収書を捨てたが、裏帳簿があったから細かい数字を書けたのか」

 安倍前首相は「そんなもの(裏帳簿)はない」「捜査当局の指摘を受けて訂正したのだろう」とシドロモドロ。

■いまだ提出拒否

 もうひとつの焦点は、安倍前首相が「ない」と言い張る明細書の内容だ。訂正された収支報告書を基に計算すると、前夜祭の経費は1人8000円ほど。参加者の会費は5000円だったから、安倍前首相サイドが3000円ずつ補填したことになる。しかし、ニューオータニの宴会プランは1人1万1000円から。安倍前首相は何度問いただされても、1人当たりの単価を答えようとしなかった。差額分はどこへ消えたのか。

 辻元氏から「明細書と領収書を出して初めて、あなたの発言が裏付けられる」と国会提出を求められた安倍前首相は、「領収書は検討させてもらうが、明細書は私の事務所にはない」と回答。「明細書は『営業上の秘密』にあたり、公表を前提には渡さないという(ホテルの)立場は変わらないと承知しております」「明細書の中がどうであれ、検察の判断は変わらない」などとまくしたてた。領収書と明細書を出せば、一気に片が付く可能性があるのに、なぜこうも拒み続けるのか。

 政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏が言う。

「収支報告書から推定される出費とホテルの設定料金に差がありすぎることから、ホテルが大幅に値引きした可能性が浮かび上がります。事実だとしたら、現物供与の寄付行為にあたる。政党への寄付しかできない一企業が首相個人や政治団体に献金したことになり、違法です。ホテルを巻き込んでしまうため、資料提出を拒んでいるのか」

 国民民主党の浅野哲衆院議員によると、「ホテルの営業部門が安倍事務所に呼び出され、官房長官の部下とみられる人間から〈5000円で受注することもある〉と発表するよう強要された」「総理周辺からも〈情報が漏れたら自民党関係のパーティーや結婚式はやらない〉と言われた」との情報が党に寄せられたという。首相という立場を利用してホテルに大幅値引きを迫り、違法行為の片棒を担がせたのか。

 委員会終了後、ぶら下がり取材に応じた安倍前首相は「来年の選挙には出馬し、国民の信を問いたい」と能天気だった。弁明の場を求めながら懲りずに嘘をつき続ける男をただすには、偽証罪に問える証人喚問をするほかないことがハッキリした。

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