宿敵・菅首相が自滅…緊急事態宣言発出で“不戦勝”小池都知事は高笑い

【2度目の緊急事態宣言が発出へ】小池百合子都知事の存在感増す 衆院選で国政復帰も

記事まとめ

  • 緊急事態宣言が7日にも発出されるが、菅義偉首相の愚鈍さばかりが際立ったという
  • 対照的に存在感を増したのが小池百合子都知事で、国に直談判し緊急事態宣言を迫った
  • 衆院選が春以降や秋にずれ込めば、小池知事の国政復帰のチャンスが再び巡ってくるよう

宿敵・菅首相が自滅…緊急事態宣言発出で“不戦勝”小池都知事は高笑い

宿敵・菅首相が自滅…緊急事態宣言発出で“不戦勝”小池都知事は高笑い

まるで司令塔(左から、大野埼玉県知事、森田千葉県知事、西村経済再生相、小池都知事、黒岩神奈川県知事)/(C)日刊ゲンダイ

【小池知事「伏魔殿都政」を嗤う】

 2度目の緊急事態宣言が7日にも発出される。ここに至るまでの年明け1週間、際立ったのは政府のスピード感の欠如と菅首相の愚鈍さばかりだったが、対照的に存在感を増したのが小池百合子都知事である。正月休みを返上し、神奈川・埼玉・千葉の3知事を引き連れて国に直談判、緊急事態宣言を迫った。

 直後の会見では、コロナ担当の西村大臣を差し置いてその場を仕切る手際の良さを見せた。都民・国民には、まるで小池知事がコロナ対策の司令塔であるかのように映ったことだろう。

 こうして、「原稿棒読みの菅首相」vs「危機感を露わにする小池知事」という構図がメディアを通じてできあがった。昨年7月の「Go To トラベル」を巡る小競り合いに端を発した2人のバトルは「勝負あった」かに見える。しかし、実際は菅首相サイドの度重なる失政に小池知事が助けられて、相対的な評価を高めたに過ぎない。いわば、菅首相の自滅、小池知事の不戦勝である。

■菅首相を追い込んだ小池知事の策略

 ゆめゆめ、小池知事がリーダーシップを発揮してコロナ対策を主導してきたなどと勘違いしてはいけない。それどころか実態は真逆である。昨秋以降の動きを冷静に振返れば、小池知事はたいした仕事をしていないのだ。

 やったことと言えば、会見でのフリップ芸と時短要請を出した程度。それすらも、北海道や大阪のように独自の宣言を出すわけでもなく、医療体制を強化するなど思い切った策を打ち出すこともなかった。

 感染者が急増した12月においてもなお、「営業時間をこれ以上短くしても、実行性に疑問」とか「お願いベースには限界がある」などとのんきなことを言い、度重なる医師会からのSOSに対しても具体的に動くことはなかった。

 要は、後手後手に回る政府の失策の影に隠れて、小池知事の不作為が目立たなかっただけのことである。

 では、小池知事はこの3カ月間、何をやっていたのか。コロナ対策の判断と責任を国に押し付けることに専念していたのだ。特措法の不備を最大限利用し、国が動かなければ自治体は何もできないとイメージ操作に余念がなかったのである。

 自治体の長としてできる限りの手立てを講じることはせず、すべてを国との対立にすり替えて、経済活動に固執する菅首相をじわじわと追い詰めていった。これこそが、コロナを利用した小池知事の「菅追い落とし策略」だったと言える。

■無傷のまま、国政復帰へ

 小池知事が動かなかった理由はもう一つある。金欠である。第1波では、潤沢な財政調整基金などを背景に、他の自治体がうらやむ大盤振る舞い(営業自粛の協力金など)ができたが、財布の中身はあっという間に底をついた。それからというもの、独自の対策を打ち出せば予算が必要になることが分かっているため、踏み込んだ取組みはめっきり影をひそめた。

 他の自治体の長が知恵を絞って頑張る中、小池知事が精を出したのは「5つの小」といったどうでもいい語呂合わせを考え出すことだけだった。つまり、菅首相も判断ミスの連続だったが、小池知事も自己保身に走っていただけなのである。

 そんな小池知事が今、往事の輝きを取り戻している。宿敵・菅首相のお陰とは皮肉な結果と言わざるを得ないが、自らは動かず責任を国に丸投げする作戦は功を奏したのだ。この先、緊急事態宣言でコロナ封じ込めに失敗しても責任追求の矛先は菅首相に向かうだけで、小池知事は無傷のままだ。それどころか、優柔不断な菅首相に決断を迫ったヒロインとして、世間の評価は上がることはあっても下がることはないだろう。さあ、ここからが政治家・小池百合子の出番である。

 解散の時期を見誤った菅政権がダッチロールに陥り、衆院選が春以降や秋にずれ込めば、彼女にとって千載一遇のチャンスが再び巡ってくる。「希望の党」の悪夢も何のその、夢よもう一度。小池知事の国政復帰に向けた「勝負の1年」はもう始まっているのだ。

 都庁OBのひとりとして、一日も早く都庁から退出していただくことを心から願っている。

(澤章/東京都環境公社前理事長)

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