「春解散」余地、目算に狂い=デジタル法案の成立遅れで―自民

「春解散」余地、目算に狂い=デジタル法案の成立遅れで―自民

デジタル改革関連法案を賛成多数で可決した衆院本会議=6日、国会内

 次期衆院選をめぐる政府・自民党の目算に狂いが生じている。政権肝煎りのデジタル改革関連法案を月内に成立させ、菅義偉首相が4、5月の「春解散」を打つ余地を残そうとしていたが、成立が5月にずれ込む見通しとなったためだ。衆参の党幹部の連携不足も背景にあるようだ。

 デジタル法案が衆院を通過した6日、自民、立憲民主両党の参院国対委員長は、1週間以上も間隔を空けた14日に参院で審議入りすることを確認。この後、立憲の難波奨二参院国対委員長は記者団に「(5月の)連休明けまで議論することになる」との見通しを示した。

 自民はもともと、4月下旬成立の日程を描いていた。首相がデジタル庁の9月発足を掲げる中、「法案成立まで解散権は事実上縛られる」(政府関係者)とみられており、政局判断の足かせとなることを避けるためだ。自民は2021年度予算の参院審議が続く3月中に、デジタル法案の衆院審議を始める異例の対応を取った。

 ところが、立憲など野党は参院審議に際して、法案付託先の参院内閣委員会で銃刀法改正案など参院先議の2法案を、優先して処理するよう要求。自民も早々にこれを受け入れ、当初目指した9日の審議入りを見送った。

 デジタル法案の衆院審議は30時間弱。これを考慮すると、参院審議を終えて採決するのは、5月中旬となる見通しだ。

 自民の参院側が譲った背景には、「熟慮の府」としての自負があるようだ。新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が発令され、4、5月の解散は遠のいたとの判断もあったとみられる。

 一方、思わぬ誤算に衆院側は収まらない。幹部の一人は「参院議員は困った人たちだ。解散がないから、衆院議員とは感覚が全く違う」と憤りを隠さなかった。 【時事通信社】