緩和出口「ポスト黒田」へ=23年度も2%物価届かず―日銀総裁任期、残り2年

緩和出口「ポスト黒田」へ=23年度も2%物価届かず―日銀総裁任期、残り2年

金融政策決定会合を終えて、記者会見する日銀の黒田東彦総裁=3月19日、日銀本店

 日銀の黒田東彦総裁が任期満了を迎える2023年4月8日まで残り2年を切った。ただ、総裁就任から8年を経ても2%の物価目標は未達のまま。日銀が今月公表する23年度の物価見通しも2%到達は厳しく、黒田総裁は道半ばで後任へのバトンタッチを余儀なくされそうだ。大規模な金融緩和を抜け出す出口戦略は「ポスト黒田」へ持ち越しとなる。

 日銀は26、27日の金融政策決定会合で、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を取りまとめ、最新の景気・物価予測を公表する。今回は新たに、黒田総裁の任期切れ後となる23年度の消費者物価見通しを示すが、上昇率は前年度比0%台後半から1%台半ば程度にとどまり、2%には届かない公算が大きい。

 黒田総裁はあくまで2%目標を堅持する構えを崩しておらず、現在の大規模緩和はさらなる長期化が不可避。一方、国内経済は新型コロナウイルス感染症の「第4波」の兆しが強まるなど不透明感が強く、現状では2%へ向けた物価上昇の道筋は描けない。

 こうした状況を踏まえ、日銀は政策の持続性と緩和効果を向上させるため、3月の決定会合で金融政策の「点検」を実施。上場投資信託(ETF)の買い入れ手法を弾力化したり、許容する長期金利の変動幅を事実上拡大したりするなどの見直しを行った。

 日銀はこれら政策修正により、時間をかけてでも2%は達成できるとの考え。ただ、市場では、「黒田日銀」2期10年のうちに2%目標が達成できなければ、「緩和効果を改めて検証し、政策の枠組みそのものの見直しも議論すべきだ」(野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミスト)との指摘が出ている。 【時事通信社】