日米、「台湾」で中国けん制=52年ぶり首脳声明に―「新時代の同盟」宣言・初会談

日米、「台湾」で中国けん制=52年ぶり首脳声明に―「新時代の同盟」宣言・初会談

ホワイトハウスで共同記者会見に臨む菅義偉首相(左)とバイデン米大統領=16日、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】菅義偉首相は16日午後(日本時間17日未明)、ホワイトハウスでバイデン米大統領と初の対面の首脳会談を行い、共同声明を発表した。「台湾海峡の平和と安定」を求める立場を明記し、軍事的威圧を強める中国をけん制。同国の人権問題にも踏み込み、懸念を示した。世界規模で中国が影響力を増す歴史的転換点に際し、日米が国際社会を主導する姿勢を打ち出した。

 日米首脳の文書で台湾に言及したのは、日中国交正常化前の1969年以来52年ぶり。香港や新疆ウイグル自治区の人権状況について「深刻な懸念」を表明し、東・南シナ海での一方的な現状変更の試みに反対すると明言した。

 米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の沖縄県・尖閣諸島適用も再確認した。

 一方で、台湾情勢に関し「平和的解決」を促し、共通の利益を有する分野では中国と「協働する必要性」を指摘した。ただ、台湾や香港、ウイグルを「核心的利益」と位置付ける中国は声明に猛反発した。

 共同声明は「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」と題し、両国の同盟関係を軸にルールに基づく国際秩序を守る方針を強調。「自由で開かれたインド太平洋」構想の推進を掲げた。

 経済分野では、高速大容量規格「5G」ネットワーク整備は「信頼に足る事業者」を活用すべきだとの考えを明記。米国が安全保障上の脅威とみなす中国企業を排除する姿勢をにじませた。半導体を含むサプライチェーン(供給網)の多様化を進めることでも一致した。

 気候変動を「世界にとって生存に関わる脅威」と指摘。脱炭素化に向け日米が2030年までに「確固たる行動」を取り、国際社会をリードすると表明した。新型コロナウイルス対策では、途上国へのワクチン支援に関する協力を掲げた。

 首相は今夏の東京五輪・パラリンピックを「世界の団結の象徴」とし、開催の決意を伝達。共同声明には、大統領がこうした首相の「努力」を支持することが盛り込まれた。 【時事通信社】

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