自民、くすぶる会期延長論=消費増税延期、同日選の臆測−野党、内閣不信任検討

 通常国会の会期末が来月26日に迫る中、自民党内で会期延長の可能性が取り沙汰され始めた。安倍晋三首相が10月に予定される消費税増税を三たび延期し、夏の参院選に合わせて「衆参同日選」に踏み切るのではないかとの臆測が背景にある。内閣不信任決議案の提出が、衆院解散の呼び水になるとの見方も与野党で出ている。

 政府・与党は参院選を控えた今国会で、政府提出法案を絞り込むなど、野党との対決ムードを避けることに腐心している。参院選のある年は会期を延長しない例が多く、小幅延長した2007年や1998年は自民党が大敗している。会期延長がなければ、参院選は「7月4日公示、同21日投開票」の日程が有力だ。

 ただ、景気動向指数の「悪化」判断などを踏まえ、自民党内には消費税率引き上げの延期を求める声がくすぶる。首相は現時点で増税方針を堅持しているが、過去に2度延期した経緯に加え、側近の萩生田光一幹事長代行が増税延期に絡んだ解散論に言及したこともあり、再々延期の見方は消えない。実際に延期を決断すれば法改正が必要となるため、「会期延長はあり得る」(首相周辺)というわけだ。

 6月28、29両日には、日本初となる20カ国・地域(G20)首脳会議が大阪で開催される。議長国としての成果を掲げて解散を断行する場合、7月上旬まで「1週間程度」(閣僚経験者)の小幅延長が必要。これに伴い、参院選の日程もずれ込む。

 一方、自民党内では「憲法改正の議論を前に進めることの是非」(幹部)を争点に、国民に信を問うべきだとの意見もある。下村博文憲法改正推進本部長は16日、「そういうふうに言う人が最近増えた」と記者団に語った。もっとも、甘利明選対委員長は「首相が現時点で同調しているとは思えない」と疑問視。公明党の北側一雄中央幹事会長も記者会見で、「まだまだ憲法改正の機運は盛り上がっていない」と距離を置いた。

 立憲民主党は国会終盤での内閣不信任決議案の提出を検討している。参院選に向けて安倍政権との対決姿勢を鮮明にするため、慎重にタイミングを探る。「不信任案が出たら、首相は即、解散するだろう」(立憲幹部)とみる向きは与党内にもある。野党側の衆院選の擁立作業は遅れ気味で、自民党内の同日選論を後押しする。

 国民民主党の大塚耕平代表代行は16日の会見で、「(衆参)ダブルの可能性は大いにあるが、わが党も含め野党は準備不足だ」と認めた。「唯一の選択肢は統一名簿しかない」と述べ、立憲を念頭に大同団結を呼び掛けたが、同党は反対しており、実現可能性は低い。 【時事通信社】