与党、選挙への影響懸念=社会保障改革、負担増なら国民反発も

 今年を「全世代型社会保障元年」と位置付ける安倍晋三首相は、有識者を含む検討会議の提言を後ろ盾に年金、医療、介護の制度改革を推し進めたい考えだ。ただ、10月の消費税増税に加えて負担増を打ち出す形となれば、国民の反発が予想される。与党からは選挙への影響を懸念する声が漏れており、首相の狙い通りに運ぶかは不透明だ。

 「1億総活躍を掲げる安倍内閣にとって最大のチャレンジだ」。首相官邸で20日に開かれた検討会議の席上、首相はこう強調した。同会議は年内に中間報告、来年夏に最終報告をまとめるスケジュールを描く。一方、今秋には前回衆院選から2年の折り返しを過ぎ、「永田町」では衆院解散の影がちらつき始める。

 深刻な少子高齢化が背景にある制度改革は、負担を増やすか給付を減らすかしか道はない。自民党の厚生労働相経験者は「選挙には厳しい話になるだろう」と表情を曇らせる。19日に全世代型社会保障推進本部を設置した公明党も「野党が『また負担増か』と攻めてくるのは目に見えている。ずしりと重い問題だ」と頭を抱えた。

 野党は攻勢に出る構えを見せている。立憲民主党が20日に開いた政府からのヒアリングでは、検討会議に労組代表がいないことに批判が相次いだ。山井和則元厚労政務官は介護や後期高齢者医療の自己負担が膨らむ可能性を指摘し、「国民の負担と不安は拡大する」と断じた。 【時事通信社】