「確たる志」「荒波越える」=政界から追悼の声―中曽根氏死去

「確たる志」「荒波越える」=政界から追悼の声―中曽根氏死去

首相在任最後の記者会見をする中曽根康弘首相(肩書は当時)=1987年11月、首相官邸

 中曽根康弘元首相の訃報を受け、政界から29日、人物や業績をたたえる声が党派を超えて相次いだ。大島理森衆院議長は記者団に「時代を読み取る深い洞察力、確固たる信念と志を持ち、それらを実現するため柔軟かつ大胆な政治手法を振るわれた偉大な政治家だった」としのんだ。

 菅義偉官房長官は記者会見で「中曽根氏が体現されたリーダーシップや改革精神は安倍政権も受け継いでいる」と強調。安倍晋三首相が目指す憲法改正に関し、「憲法審査会で各党が考えを示し、中曽根氏が主張されてきたように与野党の枠を超えて建設的な議論を行ってほしい」と語った。

 自民党の二階俊博幹事長は記者団に「国の大きな問題で羅針盤の役割を果たした。常に大局と歴史に立脚した政治家だった」と惜しんだ。二階氏が率いる二階派は旧中曽根派の流れを受け継ぐ。

 高校の後輩でもある下村博文選対委員長は記者団に「戦後史に残る大宰相。ご存命中に憲法改正できなかったのは後輩政治家の責任だ」と語った。古賀誠元幹事長は取材に「まだまだ元気でご指導いただきたかった。大変残念だ」とコメントした。

 公明党の山口那津男代表は記者団に「自民党を基礎からつくった根っからの党人派。時代の荒波を乗り越え、国民に何かを残すという気概を持って当たられた」と振り返った。

 中曽根内閣で自治相を務めた国民民主党の小沢一郎衆院議員は談話を出し、「文字通り戦後政治を総決算された素晴らしい指導者だった」と回想。共産党の不破哲三前議長は談話で「首相在任当時は激しい論戦をやり合った。政治的に対立する立場にあったが、率直な討論のできる政治家だった」と追悼した。

 立憲民主党の枝野幸男代表は会見で「学識にあふれ、毅然(きぜん)としていた。学ぶべき点のたくさんある先輩だった」と語り、国民の玉木雄一郎代表は記者団に「背中に『ニッポン』という背骨がまっすぐ入った気骨ある政治家だった」と述べた。 【時事通信社】