所得減世帯に現金給付=経済対策、膨張へ―五輪延期で追加も

所得減世帯に現金給付を検討

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策がさらに膨張する可能性が高まっている。政府は4月上旬にまとめる大型経済対策で、所得の減少した世帯への現金給付を検討している。東京五輪・パラリンピック延期も決まり、観光・小売業を中心に一段の落ち込みが避けられず、与党内から追加対策を求める声が強まる。

 経済対策は事業規模30兆円超とされ昨年末に策定した経済対策(26兆円)と合わせると、リーマン・ショック時の経済対策(56・8兆円)を超える見込み。政府は2020年度補正予算案を編成する。新型コロナ拡大で休業などを強いられるケースが増えており、政府関係者は「本当に困っている人に厚めに現金が行き渡るようにすべきだ」として、一律給付は見送った上で、早ければ5月にも始めたい考えだ。

 五輪延期により、政府が定める今年の訪日観光客数4000万人の達成は困難だ。訪日外国人旅行者(インバウンド)の激減などが経営を直撃する宿泊や交通などの業界を支えるため、早くも20年度2次補正予算を求める声すらある。

 与党では25日、「(追加対策が)必要であれば当然対応する」(森山裕・自民党国対委員長)、「(4月上旬の)経済対策とはまた別途考えないといけない」(石田祝稔・公明党政調会長)などの声が相次いだ。自民党中堅議員は「宿泊者数をはじめ五輪の経済効果は把握しやすい。落ち込んだ分を補うような規模の補正予算案を編成すべきだ」と主張する。

 五輪延期を補うための景気刺激策として、政府・与党は観光やイベント向けに特化した期限付きの商品券発行などを検討する。新型コロナの影響が収束した後に、国内観光を盛り上げてインバウンドの減少をカバーしたい考えだ。 【時事通信社】