日銀、矢継ぎ早の資金支援=コロナ倒産を警戒

 日銀は22日、2011年11月以来8年半ぶりに臨時の金融政策決定会合を開き、新型コロナウイルスの影響で資金繰りに苦しむ中小企業や個人事業主を支援する新たな資金供給策の導入を決めた。3、4月と2会合連続で金融緩和に踏み切った日銀だが、6月の次回定例会合を待たず、矢継ぎ早に追加策を打ち出した格好だ。経済の急激な収縮で「コロナ倒産」急増への警戒感は強く、予断を許さない状況が続く。

 「資金調達の円滑確保と金融市場の安定維持のため、できることを何でもやる覚悟だ」。黒田東彦総裁は14日の講演で、企業の資金繰り支援に万全を期す考えを強調した。

 日銀は今回、政府の緊急経済対策と連動した形で、新たに30兆円規模の資金供給策を決定。未曽有の経済危機を乗り切るため政府と協調姿勢を示した。

 ただ、当面の資金繰りを下支えしても、感染がいつ終息するかは不透明。日銀内では「新たな生活様式で消費の自粛が続けば、企業業績が悪化し経済の回復が遅れるリスクがある」との懸念が広がる。野村総合研究所の木内登英氏は「日本の国内総生産(GDP)がコロナ前の水準に戻るのは5年程度かかる」と予想する。

 総務省が22日発表した4月の全国消費者物価指数は前年同月比0.2%低下し、16年12月以来3年4カ月ぶりのマイナスとなった。コロナ禍で需要低迷が長引けば、再びデフレに陥る危険もはらむ。

 黒田総裁は必要があれば追加緩和を辞さない考えを繰り返しているが、木内氏は「実際に日銀が打てる手だてはそれほど多くない」と、金融政策の限界を指摘している。 【時事通信社】