特措法改正で温度差=新型コロナ、ワクチン・検査は大差なく―自民総裁選

総裁選3氏 特措法巡り温度差

 自民党総裁選に立候補した3氏は、新型コロナウイルス対策を最優先課題に掲げた。コロナ禍への対応策は限られるのが実情で、各候補ともワクチン確保や検査体制拡充を掲げるなど大きな違いは見られない。ただ、新型コロナ対策の特別措置法改正をめぐっては温度差もある。感染収束後に改正を検討するとしてきた安倍政権の対応への賛否を反映していると言えそうだ。

 ◇菅、岸田氏は継続性重視

 「コロナ対策に携わった者が出馬し、国難を解決しなければならない」。菅義偉官房長官は総裁選が告示された8日、安倍晋三首相の後継選びに当たっては新型コロナ対策の継続性を重視すべきだと訴えた。

 首相が辞任を表明した8月28日、政府は今後のコロナ対策の方針を決定。2021年前半までの全国民分のワクチン確保や、インフルエンザの同時流行に備えた簡易検査の大幅拡充、重症者への医療資源の重点配分を打ち出した。

 菅氏が総裁選政策集に盛り込んだコロナ対策の方向性はこれを踏襲した。菅氏はかねて経済活動の再開を重視しており、観光支援事業「Go To トラベル」開始の際、対象外とした東京都発着分の追加にも積極的だ。一連の対応で行政分野のデジタル化の遅れが鮮明になったとみて、「デジタル庁」創設による取り組み加速も唱える。

 岸田文雄政調会長が発表した政策集も、コロナ対策の書きぶりは政府方針とほぼ軌を一にする。8日の演説会ではPCR検査の拡充を訴えるとともに、「医療機関の経営を安定させなければいけない」と指摘。病院支援や雇用対策などに万全を期すため、「必要ならば思い切った財政措置も引き続き考えなければいけない」と新たな経済対策を検討する意向を示した。

 ◇石破氏、安倍政権に異論

 これに対し、石破茂元幹事長はコロナ対策の特措法の早期改正を主張。強制力を持つ休業要請や休業補償を規定する法改正について、8日の演説会で「『感染が収束したら法改正』との立場に私は立たない。早期に収束させるための改正が、国民に果たすべき責任だ」と、安倍政権の方針に真っ向から異論を唱えた。

 特措法改正について、菅氏は政府方針を踏まえ、コロナ収束後に検討すべきだとの立場。岸田氏も「議論は進めていい」と述べるにとどめる。石破氏は改正の手法に関しても「政府だけでなく、議会の知恵をいかに借りるかだ」と踏み込んだ。

 石破氏は政策集でも安倍政権との違いをにじませている。専門職員による感染症対策の司令塔組織設置を盛り込み、「適時適切な情報提供により国民への説明責任を果たす」と明記した。従来のコロナ対応で高まった国民の不満を意識した公約を並べる。 【時事通信社】