5兆円達成へ「輸出産地」=海外向け特化、技術・資金支援―地方経済活性化・政府

 政府は19日、農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円へ引き上げる目標の達成に向け、輸出専用の作物を地域ぐるみで生産する「輸出産地」育成に乗り出す方針を固めた。対象地域には国が技術や資金面で支援する。相手国・地域の需要に応じた生産物を一定規模で安定的に供給することで、輸出拡大を通じた地方経済の活性化を目指す。

 20日の関係閣僚会議で策定する輸出拡大戦略の骨子に盛り込む。

 日本産の和牛や果物は海外で人気が高い。しかし、輸出に積極的に取り組む事業者がまだ少なく、年間を通じて安定供給できないことが流通拡大のネックになっている。販売価格が高額になる一因でもある。

 新戦略では、産地の一部を輸出向け専用と位置付け、国が技術指導や物流の整備、資金面などで手厚く支援する。例えばリンゴなら、大玉で高糖度なものより、小ぶりでほどよい酸味があるものを好む国もある。そうした市場ニーズに応じた競争力のある作物の大量生産を後押しする。

 日本や中韓、東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国は貿易自由化を推進する地域的な包括的経済連携(RCEP)に合意。日本はこうした連携をてこに農林水産物輸出を伸ばす構え。

 戦略にはこのほか、主な品目別・輸出相手先別の具体的な目標額の設定や、輸出先の規制緩和・撤廃に政府一体で取り組む方針を盛り込む。

 19年の農林水産物・食品の輸出額は9121億円。政府は今後、和牛や果物、水産物などを中心に輸出を増やし、25年に2兆円、30年に5兆円を達成したい考えだ。 【時事通信社】