小池百合子都知事が築地移転問題で用心棒・橋下徹の顧問抜擢(2)

 さらにこの関係者は、橋下氏の考えを大きく4つに分けて説明する。

 (1)ツイッターでも指摘したように、労力は膨大だが、決定してしまった以上、ひとまず小池氏は築地移転延期問題に専念する。あとは、早急な対応が求められる待機児童問題の解決に全力を挙げる。

 (2)橋下氏を顧問にして予算担当に専念させる。
 「(2)も橋下氏がツイートしているように、予算大改革は小池都政にとって極めて重要。内田グループは自民党60議席中、半分を牛耳っているうえ、公明党にもシンパが多い。8月24日に開かれた内田氏のパーティーには都の幹部クラスがこぞって出席し、職員の多くが内田氏に仕切られている。それをバックに、内田氏は移転問題の糾弾に続き、来年3月には予算案潰しにかかる。予算が通らなければ小池都政は風前の灯。そのために橋下氏は、大阪で修羅場をくぐり抜け予算のプロと化した自分の力を借りるべきと考えている」(同)

 (3)東京五輪対策には、橋下氏が送り込んだ上山氏に専念させる。
 東京五輪は当初の予算を大きく上回り、森喜朗組織委員会会長に言わせれば2兆円規模ともいう。これを軽量化させていくにはどうするか。都政改革本部での精査対象は現状、都が負担予定のボート・カヌーと水泳。前者の「海の森水上競技場」(江東区青海)は、招致時の約7倍の491億円、後者の「オリンピックアクアティクスセンター」(江東区辰巳)は約2倍の683億円に膨れ上がり、都負担の施設整備費は計2240億円になる。
 「上山氏は旧運輸省出身で、新交通システムのプロ。施設整備費の削減と同時に、五輪開催時に大渋滞が予測される都内の交通をどうするのか。早急に対策を練り上げてもらうのです」(同)

 (4)都政透明化を目指し発足した「利権追及チーム」は、若狭勝衆院議員が中心となり徹底的に推し進める。
 「元東京地検特捜部副部長の若狭氏は、'04年に日歯連から当時の自民党橋本派への闇献金を暴き、村岡兼造元官房長官らが起訴された日歯連事件も担当している。小池氏の都知事就任に伴い行われる東京10区衆院補選(10月23日投開票予定)出馬の噂もあるが、副知事か特別補佐として入り、小池特捜チームの要として内田利権や闇部分の解明を進めてもらう」(同)

 内田氏は'10年、地元・千代田区の電気工事会社の監査役に就任。一部週刊誌の報道によれば、同社はゼネコンとJV(ジョイントベンチャー)を組み、バレーボール会場「有明アリーナ」(落札額360億2880万円)、さらに前出の「オリンピックアクアティクスセンター」(469億8000万円)の施設工事も落札。特に「有明アリーナ」の落札は、同社の逆転劇だったという。
 「しかも、この電気工事会社は、築地市場移転先予定地の豊洲新市場の関連工事など、都発注の工事も受注していたという。同社の売上高は、それまでの数百億円前後から'14年には1000億円へと急成長し、“豊洲長者”などと陰口を叩かれていたほど。ここに若狭氏のチームが入り調査すれば、何らかのボロが出る可能性は高い」(企業誌記者)

 前出の橋下氏周辺関係者はこう続ける。
 「橋下氏は、以上の4本柱を4人で役割分担すれば、都政大改革が進むだろうと確信している。小池氏が、橋下氏の入ることで“橋下院政”などと言われることが嫌で躊躇するのであれば、『そうではない。本物の都政改革をすれば小池名知事が誕生する』と進言しているのです。それを小池氏に理解してもらうため、あえて厳しいツイッターを投じたのです」

 もう一つのポイントは、秋の都議会での築地移転を巡る自民党攻勢をしのぎつつ、前出の衆院補選で小池サイドがどう圧勝するかだ。
 「2010年、大阪市福島区の補選で、橋下氏の立ち上げた地域政党・大阪維新の会(当時)が、自民党や共産党候補にダブルスコアに近い得票で圧勝。これで既存の自民党議員などが一斉に大阪維新に流れることになった。今回も、秋の都議会での自民の築地移転延期反撃攻勢をしのぎ、さらに補選で小池氏の推す候補が他候補を圧倒すれば、都議会自民党議員の中でも小池氏に擦り寄る動きが一気に加速する。それでも死にもの狂いで内田氏らが仕掛けてくるので、一方で予算をしっかりと仕上げる準備を橋下氏たちに託すことです」(日本維新の会関係者)

 そこを突破すれば、来年の都議選へ向け、かねてから取り沙汰される“小池新党”への道が開けるという。
 「都議選で小池新党議員の大量当選の可能性が生じ、バックアップする日本維新の大躍進、さらに、橋下氏の本格的な国政進出にもつながる。上山氏の都政改革本部顧問起用やツイッター発信には、そんな橋下氏のシミュレートが込められているのです」(同)

 小池・橋下氏の利害一致の思惑は実るか。

関連記事(外部サイト)