安倍首相が目論む小池新党潰しの「年末解散」

 ここへ来て、12月の解散総選挙情報が急浮上している。解散名は、表向きは“安倍長期政権対策解散”の様相だが、裏で囁かれている真の名は“小池新党対策解散”になるのでは、ともっぱらだ。
 在京テレビ局政治部官邸キャップが解説する。
 「安倍首相は、都知事選で早くから小池百合子氏の当選を予測していた。当選後は、自民党への反発的な出馬をあえて咎めない方針で、二階俊博幹事長ともどもその立場を取っていました」

 そのため、都知事選で小池氏を支援した自民党の若狭勝衆院議員を懲罰にもかけなかった。それどころか、小池氏の衆院議員失職に伴う東京10区補選に若狭氏が手を挙げると、自民党も応援の意向を示したほどだ。
 「いずれにせよ、当初の安倍首相は小池氏と手と手をとりあって、'20年の東京五輪に突き進みたい、という協調姿勢を見せていたのです」(同)

 しかし、それを小池氏のほうが必ずしもOKしない姿勢をチラつかせ始めた。
 「小池氏は10月に政治塾を開く決意を固めましたが、もちろんそれは新党立ち上げ含みです。複数の小池氏側近の話によれば、政治塾は100人規模からで、その塾生の中から、来年6月予定の都議選に大量出馬させる予定だという。そこまでは安倍首相や二階氏も読んでいて、『まあ、自民党都議も頑張れ』などと笑っていた。しかし、小池氏の計画はそこで止まらず、さらにその先を見据えた計画が、安倍首相を震え上がらせたのです」(同)

 その根っこには、小池氏と橋下徹前大阪市長(日本維新の会法律政策顧問)の急接近と、両者の国政への思惑が合致し始めていることにあるという。
 「小池氏も当初、新党立ち上げは反小池色の多い都議会をどうにかしたいという思いからだった。都議会のドン、内田茂自民党都連前幹事長が牛耳る自民党都議は、都議127人のうち60人。公明党と併せると83議席で過半数を制する。これをどうにかしないと都政は前へ進まない。そこに小池新党が割って入り、内田一派を駆逐したいという目論見だったのです」(同)

 しかし、それをさらに飛躍させようというのが、橋下氏の策謀だ。
 「橋下氏が大阪市長を辞めたのは、自らの国政準備と言われ、そのためには東京に地盤を築かなければならない。そのベースにしたいのが小池新党。しかし、橋下氏が最も悩んでいたのは、それまで裏で協調してきた安倍首相と菅義偉官房長官との仲だった」(全国紙政治部記者)

 橋下氏が大阪市長時代、大阪都構想の住民投票で公明党を賛成に回すため、創価学会幹部の説得に菅氏が当たったことは知る人ぞ知る話。さらに橋下氏は、安倍首相と政局の節目の度に会食し、密談を交わしてきた。
 橋下氏周辺関係者が明かす。
 「実は、その官邸との蜜月関係に橋下氏が見切りをつけた、という説が強くなっている。橋下氏は、次の政局ではアベノミクスも頭打ちになると見ている。そんな中、小池新党が国政にも打って出れば自民党を相当喰うと読んだ。それを聞かされた小池氏も、都議選だけではなく次の国政選挙にも小池新党候補の大量擁立の腹を固めたという。つまり、橋下氏率いる日本維新の会と小池新党が政権構想を提携しながら国政でタッグを組む。そんな情報が、安倍首相をビビらせたのです」

 となると、次の焦点は、次の衆院解散、総選挙のタイミングだ。創価学会などは年明け1月の冒頭解散を想定し、すでに準備に入ったとの話も聞こえてくる。その根拠は、自民党が通常毎年1月に行われていた党大会を、来年は3月5日に伸ばしたことにある。
 「今、自民党では'18年9月までの総裁任期を3年延ばして東京五輪後の'21年までとし、そこまで安倍首相で引っ張る動きが加速。これを次の党大会でシャンシャンと決めたい。それには、天皇の生前退位問題での皇室典範改正、憲法改正などの政策で、国民から安倍一任のお墨付きをもらったという自民党圧勝が必至。そのため、大花火をぶち打ち上げた上で、1月に解散に打って出るという説が濃厚なのです」(前出・記者)

 その大花火とは、北方領土返還だ。
 「実は首相も、アベノミクスの硬直化は重々感じていた。その打開策と支持率アップを狙い密かに温めていたのが、12月15日に予定されているロシアのプーチン大統領との会談。ここで歯舞、色丹の二島返還を決め、すでに多くのロシア人が住み開発が進む国後、択捉はロシア領のまま、日ロ共同開発地区にする案をまとめる。これにより国民の支持を集め、一気に総選挙になだれ込んで圧勝したいとの思惑です」(同)

 しかしここへ来て、その計画はさらに早まり“年末解散説”が浮上しているという。その理由は何か。
 「小池新党が橋下氏と組んで政権奪取に出る可能性が非常に濃厚になってきたからです。小池新党は北方二島返還熱も飲み込む勢いとなりそう。何しろ小池人気は圧倒的で、ある支持率調査では都内で70%を超えている。そのため安倍首相は、小池新党の陣容が固まらない年内に解散、二島返還熱も冷めないうちに全面勝利に持ち込みたいのです。しかし、その動きも小池・橋下氏は敏感に察知し、準備を加速させているといいます」(同)

 熾烈なせめぎ合いの末、主導権を握るのは誰だ…。

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