森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 民進党再生の最大のチャンス

 7月24日の毎日新聞が発表した内閣支持率は26%と、危機的水準に陥った。しかし、それが野党支持の拡大にはまったくつながっていない。そんななか、26日、野田佳彦幹事長が退任、翌日には蓮舫代表も辞意を表明した。
 代表の後継については、昨年9月の代表選にも出馬した前原誠司元外相や玉木雄一郎幹事長代理、さらに枝野幸男元幹事長、長妻昭元厚労相を軸に展開すると見られるが、突如の蓮舫氏の辞任だっただけに党内のドタバタぶりは隠せない状況にある。
 しかし、私はいまこそ民進党を再生させる最大のチャンスがやってきたと考えている。それは、民進党を左派と右派に分党することだ。

 そもそも前身の民主党が国民の支持を失い、政権から転落した最大の原因は、政策の混乱だ。
 例えば、'09年のマニフェストに入っていなかった消費税増税を首相だった野田佳彦氏が決断したこと。その他にも、米軍普天間基地の県外・国外への移転、高速道路の無料化などの基本政策が守られなかっただけではない。
 さらに、福島第一原発の事故直後、民主党は脱原発に舵を切ったにもかかわらず、野田首相が原発再稼働に踏み切るなど、政策が二転三転し、国民の目から見ると、「民主党は何がしたいのかさっぱり分からない」ということになってしまったのだ。

 しかし、混乱の理由はたった一つだ。同党のなかに政策の基本理念が異なる右派と左派が混在していることだ。だから、それを分けてやれば、政策がすっきりする。
 実際、左派の基本政策は、消費税凍結、あるいは引き下げ、脱原発、護憲、対等な対米関係などだ。もちろん右派は、消費税引き上げ、原発継続、改憲、日米同盟強化だ。
 このように整理すれば、政策がすっきりと国民に提示できるし、内部抗争もなくなるだろう。そんな単純なことができなかったのは、民進党右派に行き場がなかったからだ。しかし、都議選で都民ファーストの会が圧勝したことで、彼らに行き場ができた。右派は、小池都知事が作ろうとしている国政政党『国民ファーストの会』と合流すればよいのだ。

 右派の最大の悩みは、彼らの政策が自民党とほとんど変わらないということだった。しかし、都民ファーストの会の政策も自民党とほとんど変わらない。都議会自民党は、小池知事の予算案に賛成しているし、小池知事は都議選直前まで自民党に離党届を出していなかった。
 それでも、都民ファーストの会が選挙で圧勝したのだから、民進党右派は心強いだろう。自民党と似たような政策でも、自民党の外で生き残れることが実証されたからだ。

 民進党からは、4月に長島昭久議員が「真の保守」を確立するためとして離党している。そして、長島氏は、国民ファーストの会の核になるのでは、と目されているのだ。
 だから、私はこの際、右派が民進党を飛び出し、その長島氏と合流するのがベストだと思っている。取り残された左派は、社民党や共産党との選挙協力を強化して、“リベラル連合軍”として、生き残ればよいと思う。

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