岸田政調会長と石破元幹事長「暗躍」、野党政界再編シナリオ(3)

岸田政調会長と石破元幹事長「暗躍」、野党政界再編シナリオ(3)

(提供:週刊実話)

安倍首相の石破氏封じ込め

 一方で、麻生氏は古賀氏と犬猿の仲で、古賀氏と結ぶ岸田氏は推しにくい。麻生氏も以前から岸田氏に「古賀と手を切れば、麻生派は岸田派と一緒になり、盛り立てていける」と話し、決断を促してきた。

 岸田氏が古賀氏と決別すれば、古賀氏に近い中堅・若手10人程度が離れる可能性はある。しかし、石原伸晃・元経済再生相の石原派、茂木敏充外相や加藤勝信厚生労働相ら竹下派の一部が3派連合に加わるとみられ、全体の人数はさらに増す。

 ここまでくれば、あとは岸田氏が自民党総裁選と次期衆院選を勝ち抜くのに最も有利な流れと構図を作ればいい。安倍首相にとって、衆院で改憲勢力が全議席の3分の2を維持するには、ここが最も重要なポイントとなる。

 首相に抜かりはない。別の全国紙政治部デスクが語る。
「首相が岸田氏への禅譲を決めれば、任期満了を待たずに退陣するでしょう。タイミングは五輪後の9月です。突然の辞任に伴う総裁選は党員投票を行う必要はなく、国会議員だけで次期総裁を選出できます。多数派工作で岸田氏を勝たせた上で、岸田新首相に余勢を駆って解散させる。そうすれば、自民党が勝利する可能性は十分にあります」

 首相が電撃辞任を目論むのは、’12年、’18年の総裁選で多くの党員票を獲得した石破茂元幹事長の封じ込めだ。虎視眈々と総裁の座を狙っているとされる菅氏を抑え込む手段にもなる。

 菅氏は官房長官として新元号「令和」を発表し、一躍「令和おじさん」として知名度が上がった。側近の菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相が自らの不祥事で辞任し、厳しい立場に追い込まれたが、次期首相候補としての世論の支持は岸田氏よりなお高い。

 任期満了に伴う総裁選となり、菅氏も出馬すれば、岸田氏が最下位になる可能性は否定できない。それは安倍首相が退陣後の影響力とキングメーカーとしての地位を失うことを意味する。そうした事態を防ぐには、国会議員投票だけによる総裁選にすればいい。

 こうした安倍首相に対し、石破氏や菅氏をはじめ、二階俊博幹事長ら実力者はどう動こうとしているのか。菅氏がポスト安倍の座をうかがっていることは、先ほど述べた。

 自民党内では無派閥を中心に菅氏を支援するグループが複数あり、総数は「100人くらいではないか」(菅系中堅)といわれる。

 菅氏は政府内で、訪日観光客や外国人労働者の受け入れ、第5世代移動通信システム(5G)の確立や統合型リゾート(IR)の実現などを推進。沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移設など、安全保障分野にも目を配っている。

 こうした重要案件を推し進め、政策能力をアピールする一方、自身の政治的影響力を高めるために二階氏と連携。古賀氏にも接近するなど、多数派形成に余念がない。「安倍・麻生・岸田」連合に対して「菅・二階・古賀」ラインが立ち上がってきている状況で、「菅氏の心一つでポスト安倍の有力候補に浮上する」(自民党関係者)のは間違いないだろう。

 ただ、菅氏の弱点は71歳という年齢と、官房長官として「情報隠し」や「忖度政治」など、安倍政権の「負のイメージ」を背負っていることだ。記者会見の応答ぶりから、国会での答弁能力を疑問視する声も少なくなく、菅氏自身も自覚しているとされる。

 ここにきて浮上してきたのが、菅、二階両氏と石破氏による密約説だ。内情に詳しい自民党関係者によると、参院選後に幹事長留任が決まった二階氏が10月3日に石破氏と会食。日本を覆う閉塞感の打破が必要との認識で一致した。
(明日に続く)

関連記事(外部サイト)