「エリア51」飛行禁止問題。上空を飛んでいたのは何?

アメリカ西部ネバダ州にあるエリア51。今もさまざまな噂が絶えない

未確認飛行物体が頻繁に目撃され、「墜落した円盤が運び込まれた」「宇宙人の技術を米軍が利用している」などの噂もたびたび飛び交うミステリーゾーンとして、世界的に有名なアメリカ・ネバダ州の「エリア51」。

2013年にCIA(米中央情報局)が初めてその存在を公式に認め、米空軍の飛行実験場であることは明らかになったものの、今もなお現地は米軍が管理する立ち入り禁止区域。その実態は軍事機密の厚いベールに包まれている。

3月12日、そのエリア51で久々に騒ぎがあった。米連邦航空局がNOTAM(ノータム/航空関係者向けのアラート)を出し、エリア51周辺からサンフランシスコ南西の太平洋上空までの"空の回廊ルート"を封鎖したのだ。

米国軍事サイト『ウォーゾーン』が伝えたところによれば、そのルートの全長は約789q(東京都心〜北海道・苫小牧[とまこまい]の直線距離に相当)、幅は約37q、高度は4万5000〜6万フィート(約1万3716〜1万8288m)。封鎖された時間帯は現地時間午後5時45分から8時15分までの2時間半に及んだ。

エリア51周辺でのこうした航空路封鎖は初めてのことで、ウォッチャーたちは「いったい何が飛行したのか?」と大騒ぎになっている。航空評論家の石川潤一氏はこう語る。

「エリア51では、東西冷戦期からロッキードマーティン社の先進開発部門『スカンクワークス』のプロジェクトが極秘裏に進められ、U−2、SR−71などの高高度偵察機や、F−117などのステルス戦闘攻撃機の研究・開発が行なわれてきました。

ただ、エリア51を運営しているのは米空軍ですから、もちろんほかのメーカーの機体が飛行実験を行なっている可能性もあります」

では、今回わざわざ周辺の航空路を封鎖してまで飛行した航空機とは?

「可能性として考えられるのは、仮想敵国の上空に侵入して諜報(ちょうほう)・監視・偵察任務を担う大型ステルス無人偵察機RQ−180です。すでに一部基地への配備が始まっているとされますが、詳細は明らかになっていません。

同機がカリフォルニア州パームデールのノースロップ・グラマン社の工場で製造されているとすれば、陸路でエリア51まで運び込み、人目につかないエリア51内のホーミー飛行場で発着陸が行なわれたものと推測されます」

一方、過去にエリア51を6回訪れ、周辺を取材している『ウィークリーワールドニュース日本版』編集長の近兼拓史氏はこう言う。

「エリア51を含むネバダ核実験場は、神奈川県よりも広い面積を誇り、通常の飛行実験ならエリア内で十分事足ります。太平洋上空まで飛行禁止区域を延ばすとなると、最高速度マッハ6を超える無人ハイパーソニック機の実験しか考えられません。

そもそもマッハ6では強い衝撃波が発生してしまうため、陸地上空では最高速度を出せませんから。その動力がスクラムジェットエンジンなのか、それとも人類がまだ実用化に至っていないとされるプラズマ推進技術なのかはわかりませんが......」

情報公開で一部の情報が明かされた今も、エリア51の機密をめぐるウォッチャーたちの熱い議論は終わらない。

取材・文/世良光弘

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