「小沢が国民民主に合流」で野党のゴタゴタはさらに深刻化? そして与党は高笑いする!

「小沢が国民民主に合流」で野党のゴタゴタはさらに深刻化? そして与党は高笑いする!

「このままでは参院選で32ある1人区すべてに、野党が統一候補の擁立に成功したとしても勝利はおぼつかない」と語る古賀茂明氏

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、自由党と国民民主党との統一会派結成に端を発した野党の第1会派争いについて語る。

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野党の動きが慌ただしい。今回、仕掛けたのは自由党の小沢一郎共同代表だった。1月24日、国民民主党との統一会派結成をぶち上げたのだ。これで国民は自由党の参院議員4人を加えて27人となり、参院では野党第1会派となる。第1会派になれば、国会での与党との院内交渉でリーダーシップを取れる。

「野党が大きなひとつの固まりとなれば、自公政権を倒せる」というのが小沢代表の持論だ。"政界の壊し屋"との異名を取る彼がついに動きだしたと、大きな注目を集めた。

これで野党第1党の立憲民主党が国民との野党再結集へと動けば安倍政権も安穏とはしていられない。だが、立憲は逆の動きを見せた。参院における野党第1会派の座を国民に奪われるとわかると、その日のうちに社民党に統一会派の結成を呼びかけ、合意を取りつけたのだ。

社民の参院議員はふたり。立憲の25人と合わせると国民と同じ27人になる。さらに国民の藤田幸久参院議員(茨城選挙区)が立憲に入党届を提出した。これで参院の勢力は立憲28、国民26になる。つまり、小沢代表が手中にした参院第1会派の座を三日天下どころか、一日天下に終わらせたのだ。

だが、この泥仕合のような野党の第1会派争いは有権者の目にどう映ったのだろう?

小沢代表の狙いははっきりしている。国民は支持率1%以下に低迷しているとはいえ、衆参で60人前後の勢力がある。その数の力で野党再編を仕掛け、政権奪取を目指すのだろう。

もうひとつはカネだ。国民は旧民進党時代からの政治資金を推定で50億円から100億円もため込んでいるとされている。さらに、今年の政党交付金54億円もある。小沢政治のパワーの源泉は資金力だった。国民の豊富な資金を自由に使えば、かつてのパワー復活となる。

ただし、今回は党の合流ではなく統一会派止まり。カネを握ったわけではない。それでも、自民党幹部は、今後「カネを持った小沢」になったら大変だと警戒する。 

さらに、この先には小沢氏と橋下徹元大阪市長との連携の話もある。彼の動きからは目が離せない。

一方の立憲はどうか? 「数合わせのような野党再編はしない。野合すれば支持を失う」と枝野幸男代表は口グセのように言う。再三にわたる小沢代表からの野党結集要請も拒否し続けた。なのに、野党第1会派の座を失うとわかると泡を食ったように社民党との数合わせに走ってしまった。言行不一致そのものだ。

そこから読み取れることがある。それは、枝野代表は自公政権と対決する前に、国民を潰したいのではないかということだ。立憲はリベラル左派のイメージが強く、政権獲(ど)りのためには中間層や穏健保守の支持もプラスする必要がある。

しかし、そのポジションには国民がいる。そこで国民を潰し、ウイングを右に伸ばして議席増を狙おうという作戦なのではないか?

だが、このゴタゴタは有権者にとってみれば単なる"内輪揉(も)め"だ。野党の盟主争いに血眼になる政党たちが、団結して安倍政権を倒せるはずがない――そう鼻白むだろう。

このままでは参院選で32ある1人区すべてに、野党が統一候補の擁立に成功したとしても勝利はおぼつかない。自公の高笑いが聞こえてくるかのようだ。

●古賀茂明(こが・しげあき)
1955年生まれ、長崎県出身。経済産業省の元官僚。霞が関の改革派のリーダーだったが、民主党政権と対立して11年に退官。『日本中枢の狂謀』(講談社)など著書多数。ウェブサイト『DMMオンラインサロン』にて動画「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」を配信中

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