後藤輝樹【トランスヒューマニスト党】が、政見放送の舞台裏やプライベートを語る「NHKでは全裸よりも『ちんこ主義』Tシャツのほうがマズかったみたいで(笑)」

後藤輝樹氏が、まさかのノーカット放送で「伝説」となった政見放送について語る!

現職・小池都知事の圧勝に終わった今年の東京都知事選挙だったが、ある意味、最も爪痕を残したのはこの男だったのではないか。革命家・後藤輝樹(ごとう・てるき)が週プレに降臨しちゃうぞ?

■NHKがまさかのノーカット放送

――後藤さんにとって10回目の選挙となった先の都知事選は22人中8位(2万1997票)で、海外のメディアにも紹介されていましたね。

後藤「日本のクレイジー」を紹介するという扱いだったみたいで(笑)。

――ご自身ではクレイジーだと思われますか?

後藤 僕の自然体は世間ではクレイジー。だから普段は猫をかぶってオーラを消して生きてます。

――4年前の都知事選ではNHKの政見放送で一部音声が削除されましたが、今回は裸&紙パンツ姿がそのまま放送されました。

後藤 前回、無音修正されたのできっと今回も同じだろうと思っていたんです。そしたら男性器や女性器の呼称もすべてそのまま放送されたので正直、驚きました。

――前回、無音修正されたのは予想外だったんですか?

後藤 過去の政見放送で「チンチン」はOKだったんです。それならチンコもポコチンもマ○コも全部OKだろうと思って。そこで消えつつある各地方での女性器の呼称を言ったら全部、削除された。NHKさんは文化を抹殺しようとしているんです。

――前回は性器の呼称を80回以上も連呼したんですよね。

後藤 収録後は都の選管に「こんなの流せるわけない」「内容を変えろ」と激オコされました。「無理です」って断ったら、普通は2本撮りのところ1本で帰らされて(苦笑)。あんなに怒られたのは中学生以来で本気で泣きそうになりました。

――選管の人の気持ちもわかるんですが(笑)、公職選挙法では「候補者の主張をそのまま放送」と決まっているから検閲したりすることは許されないんですよね。

後藤 放送局に判断を委ねているのは問題ですよ。それをよくわかっている総務省に電話で泣きついたら、選管に「内容に文句を言っちゃダメ」と通達してくれて。それで4年前は落としどころとしてあの無音放送となったんです。

――でも今回、NHKはよく無編集で放送しましたね。

後藤 すごいことだと思います。逆に今回、TOKYO MXさんの政見放送では男性器や女性器以外の言葉も無音編集されていて、あれは過剰に削除しすぎだと思いました。

――MXの政見放送は確か、6ヵ国協議で各国の首脳たちがチンコをしごき合うべきだという......。

後藤「シックスペニス」というネタです。きっと4年前のNHKさんの編集を参考にしたんでしょうけど、フタを開けたら今回、NHKさんがまさかのノーカット放送ですからね。MXさんは梯子(はしご)を外されて驚いたと思いますよ(笑)。

――NHKがそのまま放送するとは思わないですもんね。

後藤 でも今回、予想外だったのはNHKさんの収録のときに「ちんこ主義」と書かれたTシャツを着ていたら「それはダメ」と言われたんですよ。

――全裸はOKなのに?

後藤 僕はてっきり「ちんこ」がダメなんだと思ったら、マズかったのは「主義」のほうで「そっちかい!」って(笑)。腕章やタスキなどで主義主張をしてはいけないと言うので「これは主義ではなくデザインです」と主張したんです。

――でも後藤さんは「ちんこ主義者」でしょ?

後藤 ちんこ主義者ですけど、それって別にナチスとかの主義とは違うわけで。常識で考えればわかりますよね?

――まさか後藤さんに常識を説かれるとは(笑)。

■都知事選での全裸屹立ポスター

――政見放送って5分30秒もありますけど、何も見ないでやるのは大変ですよね?

後藤 稽古はノイローゼになるくらいやり込みました。まずは原稿を作って、それから舞台稽古のように音読です。さらにそれを録音して、寝るときも流したりしました。

――政見放送の収録現場はどんな雰囲気なんですか?

後藤 4年前はNHKさんもまったく僕を警戒していなかったので収録直前まではすごく和やかな雰囲気でした。でも本番が始まった瞬間、明らかに現場が凍りつくのがわかりました(苦笑)。でも今年は先方もある程度、心の準備ができていたのか、わずかですけどスタッフさんの笑い声が聞こえてきて。あれはうれしかったし気持ちよかったです。

――やっぱり収録直前は緊張するものですか?

後藤 メチャクチャしますよ。芸人さんのネタと違って僕は完全にゲリラなんで途中で止められるかもしれない。そのストレス、プレッシャーは相当なものがあります。収録後、イチモツが尋常じゃなく縮み上がってました(笑)。

――一方で、今回の選挙戦最終盤に登場したポスターは全裸で局部がフル勃起でした。なぜあれを張ったんですか。

後藤 どうせやるなら突き抜けたかったんです。本当は最初からフル勃起でいきたかったんですけど、選挙戦前半は本当に勃(た)たなくて(苦笑)。最終盤にようやくフル勃起したので、このチャンスを逃すまいとセルフタイマーで自撮りしました。

――あのポスターは批判されたでしょう?

後藤 はい、支援者からも批判の声がありました。でも僕は芸術として考えてほしいんです。表現の自由、性の自由を議論もしないで、ただ僕を頭のおかしい人扱いするだけでは前に進まないですよ。よく「なんでこんなことするんだ?」って聞かれるんですけど、僕に聞く前にもっとご自身で感じて、考えてほしいんです。

――でもなんで股間にモザイクをかけちゃったんですか?

後藤 えっ、そんなことを言われたのは初めてですよ(笑)。犯罪者になりたくないからに決まってるじゃないですか。僕は合法的なテロリストだから一線は越えません。

政見放送の収録直前は極度のプレッシャーから「イチモツが尋常じゃない縮み方をしていた」とか

■年収はいつも100万円くらいです

――後藤さんは普段は何をやって生活されてるんですか?

後藤 自営業で「革命.com」という、人や世の中に革命を起こす会社をやっています。ギュッと凝縮するとなんでも屋です。昔は引っ越しの手伝いとか庭掃除とか結婚式のカメラマンとかもしました。最近は乳を揉(も)む才能があることに気づいたので「乳揉み屋」も始めました。

――失礼ですが年収ってどのくらいですか?

後藤 今年はYouTubeを始めたので超えてしまうと思うんですが、これまで年収100万円を超えたことはほとんどないですね。

――よく生活できますね。

後藤 選挙の供託金をためるためにとにかく節約してます。というかお金を一切使わないようにしてるんです。

――都知事選の供託金300万円を集めるのは大変ですよね。

後藤 貯金とわずかな寄付金で200万円、残りの100万円は知り合いから初めて借金をしました。借金をすると「返さないと申し訳ない」という感情が生まれて自分が強くなれたというか、新しい扉が開いた気がします。

――そもそもどんな少年時代を送ってきたんですか。

後藤 まじめだけどひょうきんな子供でした。クラスをドカーンと笑わせることが何よりも快感で。漫画の『行け!稲中卓球部』に憧れていて中学時代はスクール水着で登下校したりもしてました。よく「変態」とか「覚醒剤やってる」と言われましたね。高校時代は「横浜アナル団(YAD)」という意味不明の組織を結成して遊んでました。深夜、全裸でバイクに乗ったりとか。

――当時は芸人を目指していたとも。

後藤 ダウンタウンの松本人志さんの媚(こ)びない笑いを見て本気で芸人を目指したんですけど、相方を見つけられなくて諦めました。だったら東大に行こうと思って勉強を始めて日本のことを考えるようになり、人材不足の政界に行こうと決めました。

――初めて出馬された頃はノーマルな選挙戦を展開してましたよね。

後藤 片っ端から選挙に出ては政策で勝負してました。

――過激な政見放送ばかりが取り上げられますが、実はかなりたくさんの政策をお持ちですよね。

後藤 政策は1000ぐらいあります。でもまじめに政策を語っても誰にも興味を持ってもらえなかったので、政策の前にまずは選挙に興味を持ってもらえるやり方に変えました。

――今後、後藤輝樹は何を目指すんでしょうか?

後藤 今後も選挙に出続けます。今回、多少の手応えはつかんだので、次の政見放送はクレイジーさを求める人には少し物足りないものになるかもしれないです。

――まじめにやると?

後藤 後藤輝樹は別におかしなことをしなくても超面白い人間なので、最終的には超面白い政治家になります。

――勝てないのになぜ選挙に出るのかという人もいるかと思いますが、これについては。

後藤 それは愚かな意見で、出ようという勇者を冒涜(ぼうとく)しています。自分のつくりたい世界を訴えることで世の中は変わるんです。

――最後に読者にひと言を。

後藤 おまえら、愛してるぜ!

「今後も選挙に出続けます」と語る後藤氏。来年の東京都議選、再来年の参院選なども視野に

●後藤輝樹(ごとう・てるき)
1982年12月8日生まれ、神奈川県育ち。千代田区長選挙(13年)、千代田区議会選挙(15年)、東京都知事選挙(16年、20年)などに立候補。奇抜な選挙ポスターや政見放送などで大きな注目を浴びる。現在はなんでも屋の「革命.com」に加え、乳揉み専門店もスタート

取材・文/畠山理仁 撮影/村上庄吾

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