「菅降ろし」起きる前に自民党内けん制か…首相の「解散あり得る」発言が波紋

「菅降ろし」起きる前に自民党内けん制か…首相の「解散あり得る」発言が波紋

(写真:読売新聞)

 菅首相が9月末の任期満了に伴う自民党総裁選前の衆院解散・総選挙は「あり得る」と発言したことに、与党では「党内の引き締めを図った」との受け止めが広がっている。野党は内閣不信任決議案の国会提出が「解散を誘発しかねない」と警戒している。

 「首相は常在戦場という中で言われたことだと思う」。自民の下村政調会長は7日の記者会見で、首相の胸中をそう推し量った。

 首相の解散発言は、6日のBS日テレの番組で飛び出した。首相は同じ番組で、不信任案提出が解散の大義になるかを問われると「当然なる」と明言した。野党は6月16日の国会会期末までの提出を検討している。首相発言を額面通りに受け取れば、野党次第で夏までの解散はありうる。

 一方で、首相は3月26日に「(解散が)いつあってもおかしくないとは思っていない」と語っていた。解散・総選挙よりも新型コロナウイルス対策を優先する考えをにじませたもので、与党内では「解散は10月の衆院議員の任期満了に近い秋」(閣僚経験者)との見立てが強まっていた。

 自民党幹部は、ぶれたようにも見える首相発言の狙いを「秋まで解散がないと思うな、との党内向けメッセージだ」と解説する。

 衆院議員の任期満了に近づくと、政治状況によっては「衆院選は新しい顔で」という声が強まり、「菅降ろし」が起きるおそれがある。総裁選前に解散・総選挙に踏み切る選択肢を残しておけば、党内をけん制できるというわけだ。

 野党は、解散のフリーハンドを握ろうとする首相との間合いを計りかねている。立憲民主党の安住淳国会対策委員長は7日、記者団に「必要であれば不信任案はいつでも準備する」と強調した。そのうえで「我々にも解散に対して責任がある。いかなる時でも(提出の)判断ができるよう準備は整えたい」と訴えた。ただ、立民の支持率は低迷し、空白区解消も道半ばだ。「態勢が整わないのに、首相を挑発するのは無謀だ」(中堅)と危ぶむ声が大勢だ。

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