日米共同文書、「台湾の安定」と「中国の人権懸念」一致へ

日米共同文書「台湾」明記へ

 【ワシントン=藤原健作、田島大志】日米両政府は、菅首相とバイデン大統領の首脳会談の成果としてまとめる共同文書に台湾問題と、中国の新疆ウイグル自治区などの人権問題を明記する方針を固めた。両首脳は会談後の共同記者会見で、覇権主義的な動きを強める中国に連携して対抗する方針を示す見通しだ。

 日米首脳間の共同文書に台湾問題が書き込まれるのは、1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領との会談以来となる。バイデン政権は中国が台湾への軍事的圧力を強めていることを警戒しており、台湾海峡の平和と安定に向け、日米両国で結束する考えを国内外に示す狙いがある。

 中国による香港や新疆ウイグル自治区の人権抑圧については一致して深刻な懸念を示す方向だ。

 米政府高官は15日、記者団に、台湾問題を明記する狙いについて「平和と安定の維持に向け、日米で緊張を和らげ、中国の挑発を思いとどまらせるための役割を果たす」と強調した。

 このほか、共同文書には、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条を沖縄県の尖閣諸島に適用することを明記する。中国の海上保安機関・海警局の船が尖閣周辺で日本の領海への侵入を活発化させていることを踏まえたものだ。

 経済分野では、レアアース(希土類)や医薬品などで中国への依存度を低下させることを念頭に、サプライチェーン(供給網)構築などで合意する。気候変動対策でも、温室効果ガス排出削減の中長期目標の実現に向けた協力や脱炭素分野の技術協力などを確認する。

 北朝鮮による日本人拉致や核・ミサイル開発問題、新型コロナウイルス対策など幅広い議題が取り上げられる見通しだ。

 首相は15日夜(日本時間16日午前)、政府専用機でワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した。16日は戦没者らが埋葬されているアーリントン国立墓地で献花し、ハリス副大統領と面会した。首相は冒頭、「今回の訪米で、様々な課題を幅広く議論し、日米同盟をさらに強固にしていきたい」と述べた。午後(同17日未明)にホワイトハウスの大統領執務室「オーバルオフィス」で約1時間、バイデン氏らと少人数会談に臨み、場所を移して拡大会合を行う。共同記者会見はホワイトハウスの庭園「ローズガーデン」で開く。

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