基礎的収支、「25年度黒字化」厳しく…赤字2・9兆円の試算

 内閣府は21日、国と地方の基礎的財政収支(PB)について、高い経済成長が続いた場合でも、目標とする2025年度の黒字化は達成できず、2・9兆円の赤字になるとの試算を発表した。赤字幅は1月時点の試算から4・4兆円改善したが、財政再建の道が険しいことが改めて示された。

 試算は、21日開かれた政府の経済財政諮問会議(議長・菅首相)に提出した。PBは、社会保障や公共事業といった基礎的な政策にかかる経費を、借金に頼らず、税収など「自前」の財源でどこまで賄っているかを示す指標。赤字は、国債などによる借金への依存度が高いことを表す。

 高成長シナリオは、20年代半ばの実質成長率を2%台と想定。環境やデジタル分野への投資が増え、景気拡大で税収も伸びると見込む。

 1月時点より赤字幅が縮小したのは、20年度の国の税収が過去最高の60・8兆円となったことなどを反映したためだ。

 一方、新型コロナウイルスの感染再拡大による歳出増に加え、「団塊の世代」が22年から75歳以上の後期高齢者になり始め、医療や介護の費用がさらに増えると見込まれる。

 このため、25年度のPBの黒字化は達成できず、27年度にずれ込むと想定した。社会保障費の伸びの抑制などで、25年度の黒字化は可能としている。

 内閣府によると、日本の潜在成長率は過去10年間で1%を超えたことはない。試算では、実質成長率が1%程度の場合、25年度の赤字額は7・9兆円になり、30年度になっても黒字化は難しいと見込んだ。

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