岸田首相、ロシアを名指しで非難へ…国連総会で一般討論演説

岸田首相、ロシアを名指しで非難へ…国連総会で一般討論演説

国連総会出席のため、ニューヨークに向けて出発する岸田首相と裕子夫人(20日午前、羽田空港で)=川口正峰撮影

 【ニューヨーク=藤原健作、寺口亮一】第77回国連総会の一般討論演説が20日午前(日本時間20日深夜)、米ニューヨークの国連本部で始まった。岸田首相は同日夜(同21日朝)に行う演説で、ウクライナを侵略したロシアを批判し、法の支配に基づく国際秩序や国連改革の重要性を訴える。「核兵器のない世界」の実現に向けた決意も表明する。

 一般討論演説が対面方式で開催されるのは3年ぶり。ウクライナ情勢が最大の焦点で、各国首脳らが事態打開に向けて見解を表明する。

 首相は、ロシアを名指しで「ウクライナ侵略は、国連憲章の理念と原則を踏みにじる行為だ。断じて許してはならない」と非難する。東・南シナ海への海洋進出を強める中国も念頭に置き、「法の支配に基づく国際秩序の徹底のため、力と英知を結集する時だ」と呼びかけ、国連の改革と機能強化の必要性を訴える。

 具体的には、常任理事国の中露両国による拒否権行使など、機能不全が指摘される安全保障理事会の改革について「文言べースの交渉を開始する時だ」と表明する。歴代首相に比べて踏み込んだ表現を用い、決議案の作成に向けた協議の加速を主張する見通しだ。

 被爆地・広島選出の首相は、広島と長崎に触れつつ、「国際的な核軍縮・不拡散体制の礎」と評価するNPT(核拡散防止条約)体制の維持・強化に向け、「現実的な取り組みを進める」との方針を改めて示す。

 北朝鮮を巡っては、2002年の日朝平壌宣言に基づき、「拉致、核、ミサイルを包括的に解決し、国交正常化を目指す方針は不変だ」と強調。「日本は、双方の関心事項について対話する準備がある」と述べ、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記と「条件をつけずに向き合う決意だ」と改めて表明する。

■岸田首相の国連演説のポイント

 ▽国際秩序の根本が大きく揺らいでいる。ロシアのウクライナ侵略は、断じて許してはならない

 ▽国連安全保障理事会の改革に向け、文言ベースの交渉を開始する時だ

 ▽「核兵器のない世界」の実現に向け、現実的な取り組みを進める

 ▽北朝鮮との国交正常化を目指し、双方の関心事項について対話する準備がある

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