政府は国民にコロナ禍の「新・新生活様式」を出すべき〜緊急事態宣言解除

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月18日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。首都圏1都3県の緊急事態宣言が正式に解除されるニュースについて解説した。

2021年3月17日、会見する菅総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/17bura.html)

政府が首都圏1都3県の緊急事態宣言解除〜正式決定へ

菅総理)21日に期限を迎えます緊急事態宣言については、解除する方向で明日(18日)、専門委員会の先生がたに意見を伺った上で最終的に判断したい。このように思います。

 

菅総理大臣は3月17日夜、総理官邸で記者団の取材に答え、首都圏1都3県で継続している緊急事態宣言を3月21日までの期限で解除すると表明した。

2021年3月16日、会見する菅総理〜出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/16bura.html)

解除には慎重な姿勢であった菅総理

飯田)正式決定は18日以降ということになりますけれども、産経新聞が13日にスクープのような形で出してから、徐々に固まって来たという感じですかね。

鈴木)解除か、継続か、意見は二分する。そのなかで、私が聞いていた限りでは、菅さんは「水曜日くらいまでは数字を慎重に見よう」と言っていたようです。数字というのは、「感染者数よりも病床使用率をじっくり見る」ということで、菅総理自身は、まだ慎重な姿勢があったと思います。しかし、政権内や官邸のなかには、「もう、これは解除した方がいい」という意見も当然あった。このなかで、数字を見て、菅さんが判断したのだろうという気がします。

東京都が医療従事者への新型コロナウイルスワクチン優先接種を始め、職員へ接種されるワクチン=2021年3月5日午前10時14分、東京都文京区の都立駒込病院(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

「もう打つ手がない」政権幹部

鈴木)まず言っておきたいのは、ある閣僚と政権幹部に「どうなるのですか」と取材をしたら、「もうこれ以上手がない」という言い方をしていたのです。緊急事態宣言をしてここまで来て、感染者数がそれほど減らないし、底を打っているような感じもある。でも、「手がない」と言うのは違うのではないでしょうか。打つ手は他にもあります。やっていないことが、まだたくさんあるでしょう。

大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種の準備をする看護師ら=2021年2月19日午後0時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社

今後の医療体制、病床を確保すること

鈴木)今回の解除でポイントになるのは、同時に何をメッセージや政策として出すのかということだと思うのです。いままでと何も変わらないのではなく、解除するからには、いちばんは医療体制だと思うのです。病床使用率が、いまは下がっているけれども、感染が増えたら一気に上がります。そこをしっかり確保する。それから、変異株ですよ。この検査もまだまだ温いので、これをどうするのか。変異株は早く見つけて隔離するしかないわけですから、これもまた病床の問題にもなります。

飯田)まさにそうですよね。

「大阪コロナ重症センター」で研修する看護師ら=2020年12月11日午前11時9分、大阪市住吉区の大阪急性期・総合医療センター 写真提供:産経新聞社

高齢者が一般病院の退院後に行く療養病院が満杯

鈴木)私が3週間くらい前に取材したのは、病床というのは重症患者を看る病床だけではなく、高齢者の場合は、治療して治りかけのあとに療養病院のようなところに行くのです。社会に出て行く手前として。

飯田)家に帰るにはまだ回復し切れていないという人たちですよね。

鈴木)ここが満杯なのです。そこから先、「治った」と言って、家に帰ろうと思っても、いまは訪問介護が少ないから、家には帰れない。しかし、老人ホームは「治った」と言ってもその人を受け入れない。

飯田)条件が厳しいところも多いですよね。

鈴木)療養病院の担当の先生を取材しましたが、ここがまだ詰まっています。こういう療養病院を受け入れるような体制をつくるとか、この辺りの問題をどうするのか。

新型コロナウイルス患者専用病院として運用される、旧都立府中療育センターに設けられた個室の病室 撮影:2020年10月2日、東京都府中市 写真提供:共同通信社

事業規模に合わせた経済支援をするべき

鈴木)あともう1つセットでやって欲しいのは、やはり経済支援です。これは、「解除したからお客さんが戻る」という話ではないのでね。飲食店を含めて事業規模に合わせた経済支援が必要だと思います。

飯田)事業規模に合わせて。

鈴木)いま、来年度予算をやっているでしょう。だから、なかなか言いにくいかも知れませんが、いきなりになりますけれど、新年度の補正のような形でもいいから、こういうものをセットでやって、初めて解除ということなのではないでしょうか。この辺りは19日に菅さんが記者会見をするのでしょうけれど、私たちはしっかりそこを見ておきたいです。

飯田)サービス業や宿泊、旅行業はピンポイントで甚大なダメージを受け続けています。

鈴木)もう限界を超えているわけでしょう。

飯田)今回また解除と言っても、東京都は夜9時までの時短要請を続けるのだと。時短の協力金は4万円に下げて出すというようなことも出ています。

河北総合病院に設置された新型コロナ「発熱外来センター(仮)」用陰圧テント=2020年4月22日午後、東京都杉並区 写真提供:産経新聞社

飲食店に時短要請するのではなく「これならばいい」という具体的な「新・新生活様式」を出すべき

鈴木)でも、単に時短の話ではないですよね。これまでの経験を活かして、新生活様式ではなく、「新・新生活様式」。「これならば会食してもいいですよ」という具体的なものも、できればセットで出して欲しい気がします。

飯田)近々では、「お花見に行っていいのか、いけないのか」というような話になるでしょうからね。

鈴木)「これならばいい」という。私たちは1年間経験をして来ていますから。これを活かした「新・新生活様式」というようなものを出すべきだと思います。

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