国外に置かれたデータはなぜ保護できないのか〜LINE個人情報閲覧問題

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月24日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。LINE(ライン)の個人情報が、業務委託先の中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題について解説した。

LINEのロゴ 政府、LINEに報告要求=2021年3月19日 写真提供:共同通信社

LINEの出澤社長が会見〜中国からの個人情報へのアクセスを遮断

出澤社長)非常に多くのユーザーの皆さまからの信頼を裏切ることになったこと、非常に重く受け止めております。

 

無料通信アプリ「LINE(ライン)」の個人情報が中国からアクセスできる状態になっていた問題で、3月23日夜、出澤剛社長が記者会見を行った。出澤社長は中国からの個人情報へのアクセスを完全に遮断したことを発表。また韓国で保存していたデータについては、国内に移転する方針を示した。

飯田)利用者の個人情報が、中国の関連会社から閲覧可能になっていたということです。データは韓国で管理されていたようです。

【LINE社データガバナンス検証】「LINE社におけるグローバルなデータガバナンス」を検証・評価する特別委員会冒頭で、現状認識や対応方針について説明するLINEの出澤剛社長(右)=2021年3月23日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

国外にデータを置いている場合、データを完全に保護することは不可能

高橋)6年前からそうだったと思います。LINEは韓国の系統の会社がやっているということだったので、以前に私は約款を読みました。そのとき、データをほぼ外(国外)に置いてやっていないと、こういう約款にはならないと思いました。外に置くと、データ保護を完全にすることは無理です。どこの国も、「通信の秘密」は法律としてあります。しかし、それは基本的に「国内の人を保護する」ということなので、情報を外国に置いたときには、そこにある日本人の情報は、「通信の秘密」に入りません。完全にデータは取られ放題です。自分のスマホのなかのデータを全部晒すぐらいのことだと思います。

飯田)約款を読むと、「第三国」という表現でしか書いておらず、「どこに」ということが詳細に書かれていないということが指摘されました。

高橋)そうでしょう。こういうグローバル企業は多くて、委託先をどこかにするとフルアクセスを与えるので、情報は抜かれると思った方がいいです。特に中国は、政府に情報を共有する義務があるから余計に抜きやすいかも知れませんが、韓国でも、日本国民のプライバシーを守る義務はありません。サーバーを外に置く段階で、その情報はすべて抜けてしまいます。アプリは基本的にスマホのなかのデータにアクセスできます。

習近平氏、長江経済ベルト全面的発展推進座談会で重要演説=2020(令和2)年11月14日 新華社/共同通信イメージズ

「無料」ということは利用者の情報が外に流れること〜約款を確認

飯田)約款があって、読まなければいけないのはわかっていながら、通常、これを読まずに使い始めてしまいます。私もそうですね。

高橋)基本的には無料でしょう。無料ということは、利用者の情報を外に売るのが基本です。そういう意味では、無料のものを入れたら、何かの対価があります。その対価は通常、自分の情報なのです。情報の範囲は約款に書いてあります。だから入れたあとにメールが来るでしょう。あれですよ。

飯田)ダイレクトメールなど、大量に来ますね。

LINE株式会社のオフィスが入るJR新宿ミライナタワー付近の電子広告=2017年4月27日午前、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

複数のスマホを使い、個人情報を守る

高橋)無料というものは、そういうものです。私はスマホを何台か持っていますが、分けて使っています。LINEはメインのスマホでは絶対に使いません。LINEを使わなくてはならないときは、電話帳など自分の情報が入っていないスマホを使います。いまはSIMフリーで、簡単にSIMを入れ替えるだけでできます。スマホは中古ならば安く買えるので、そういう工夫をした方がいいかも知れません。

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