中国によるウイグル人への人権弾圧〜日本は遅まきながら「看過せず決議に挑む」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月30日放送)にジャーナリストの有本香が出演。中国当局による新疆ウイグル自治区での弾圧について解説した。

中国政府による人権侵害に抗議の声を挙げる、日本で暮らすウイグルやモンゴル、香港など少数民族の女性たち=2021年3月7日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

拷問と洗脳、響く悲鳴 ウイグル女性、中国の弾圧証言

中国当局による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での弾圧をめぐり、現地で約1年半拘束されていたウイグル人女性が、亡命先のフランスで産経新聞のインタビューに応じた。「収容所は常に女性の悲鳴が響いていた」などと語った。その証言から、少数民族ウイグル族に過酷な拷問を加え、中国共産党への忠誠を強いる「再教育」の実態が浮かび上がった。

飯田)まず、朝刊各紙が入って来まして、そのなかで産経新聞1面トップです。

『拷問と洗脳、響く悲鳴 ウイグル女性、中国の弾圧証言』

〜『産経新聞』2021年3月29日配信記事 より

飯田)……ということで、1年半にわたって現地の収容所に拘束されていたウイグル人女性の方の証言をまとめています。こういう声が国際的には出て来ています。

新疆ウイグル再教育キャンプと思われる施設=2019年6月2日 写真提供:時事通信

中国における人権弾圧について、日本は看過せず決議に挑む〜「国会にどう出すか」水面下で動き

有本)産経はこのところ1面トップでこのウイグル問題を連日のように報じています。これには2つ理由があります。まず1つはウイグル人の状況、現状があまりにも酷く、「これは大声を上げて知らせなければいけない」という、産経新聞の良心だと思います。それからもう1つは、大変遅まきながらではありますが、日本の政界でも動きがあると、私も確信しています。というのは、ようやく日本の国会でこの問題について、ウイグル問題だけに焦点は絞り切れていないのですけれども、ウイグルやチベットなど、中国における人権弾圧について、日本はこれを看過せず、決議に挑むと。

飯田)挑む。

有本)決議されるかどうかはわかりません。国会におそらく近日出るでしょう。各会派の人たちもいろいろな動きをしつつ、議連が全部で5つ立ち上がりました。それから従来あった、例えばウイグル議連なども超党派になった。そこでみんなでまとまって、「どういう形で国会に出すか」ということを水面下で相談しています。菅総理が訪米しますが、その前に決議をしたいという動きになっています。「これを後押ししたい」という、産経新聞の意志と言いますか、社論なのだと思います。

中国弾圧「最悪の状況」 日本外国特派員協会で記者会見する「世界ウイグル会議」のドルクン・エイサ総裁=2018年11月20日午後、東京・丸の内 写真提供:共同通信社

ウイグル人の収容は100万人〜ナチスの収容所が70万人余りに対し

飯田)菅総理は4月8日に日本を発つということですから、そんなに時間があるというわけでもないですよね。

有本)いろいろな作業はしているし、心ある数少なかった議員から始まっているのですけれど、ここへ来て一気に広がっています。そのいちばんの理由は、あまりにもウイグル人の現状が酷いということなのです。

飯田)見出しでも、『収容所「説明なく注射や投薬」』とあります。

有本)人体実験に使っている。または、古くから言われていますが、臓器提供のドナーに強制的にさせられているのではないか。収容人数についても、いろいろな報告が出ていますけれども、国連も少なくとも100万人と言っているわけです。ナチスの収容所が1945年の時点で70万人余りだったのです。それを遥かに上回っているという報告が多数あって、これを日本が看過し続けるということは、あってはならないことです。

「中国式法治」香港に拡大 中国の習近平国家主席を映す北京市内の大型ビジョン=2020年5月(共同) 写真提供:共同通信社

ヨーロッパもアメリカも様子を変えて来ている

飯田)ヨーロッパではその記憶というものが鮮明だから、手錠をされて列車に強制的に連れ込まれる映像をBBCが放送していましたが、その辺りからヨーロッパの雰囲気も変わって来ましたかね。

有本)ヨーロッパはあれだけ中国ビジネスに寄っていたのに、ここへ来て様子を変えている。アメリカもトランプ政権のときに、ジェノサイド認定をしたというのは大きいのですが、それを受け継いだいまの政権も、特にブリンケン国務長官はご両親ともユダヤ系なのです。そういう意味もあって、ある民族をターゲットにした人権弾圧ということには非常に厳しい。日本には3000人くらいのウイグル人がいるのですが、そのほとんどの人が、実家との連絡をこの3年以上取れていないという状況なのです。この辺りは、日本の政界でもヒアリングが続いていまして、ようやく実態が実感できたというところだと思います。

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