黒岩神奈川県知事〜マスク飲食実施店は「時短要請の適用除外」を国へ求める

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月21日放送)に慶応義塾大学教授・国際政治学者の細谷雄一が出演。黒岩祐治神奈川県知事への電話インタビューを行い、新型コロナウイルス対策の今後について解説した。

横浜港・大黒ふ頭に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた80代男性が死亡したことを受け、会見する神奈川県の黒岩祐治知事=2020年2月20日、神奈川県庁 写真提供:産経新聞社

黒岩神奈川県知事に直撃〜新型コロナウイルス対策の今後

「飯田浩司のOK! Cozy up!」では、『一都三県知事・河野大臣も登場!新型コロナ変異株から国民を守れ!Cozy専門家会議』と題してそれぞれインタビューを実施。4月21日は黒岩祐治神奈川県知事へのインタビューとなる。

飯田)黒岩知事、よろしくお願いいたします。4月20日から、「まん延防止等重点措置」が神奈川県内でも適用になりました。一方できょう(21日)の新聞を見ますと、「緊急事態宣言」という文字が並んでおります。神奈川の現状はいかがですか?

「まん延防止等重点措置」を適用するタイミングだった〜「緊急事態宣言」にならないために

黒岩)「まん延防止等重点措置」というのは、「まん延が始まったら早めに叩いて抑える」という趣旨でつくられたものです。神奈川はいまそういう状況なのです。「200人を超える」ということを指標として見ていました。これは、ステージ2と3のギリギリの間くらいです。ここから、「ステージ3に行ったな」というところでまん延防止等重点措置を出すのがいちばんいいタイミングだと言われていました。4月14日に200人を超えて、5日連続で200人を超えたのです。まさにまん延防止等重点措置をお願いするタイミングだということで、政府にお願いして決まったのです。ここで一気に抑えることを狙っています。

飯田)ここで抑えられれば、緊急事態宣言までは行かずに済むかも知れないということですか?

黒岩)そうしたいですよね。振り返ってみると、200人を超えたのは、2020年11月18日だったのです。あのときに手を打ちませんでした。1ヵ月半後に神奈川県は995人にまで増えているのです。それで緊急事態宣言になったわけです。あれだけ増えてから手を打つよりも、少し増え始めるときに手を打つ。ここで抑えられたならば、緊急事態宣言にならなくて済むだろうと。これがそもそもまん延防止等重点措置をつくった狙いでもありますから、何とか抑え込みたいと思っています。

いまの段階では神奈川と東京の状況は少し違う

飯田)東京はきょう(21日)にも緊急事態宣言を申請というような記事も出ています。神奈川は、そこで足並みを揃えるよりは、独自にやって行くという形ですか?

黒岩)そうですね。感染者の状況を見ても、神奈川県の状況と東京都の状況は、今回はいまのところ少し違っているような感じがします。今後、東京のような感染拡大が神奈川に来ても不思議ではないです。一気に増え始めることもあり得ますし、いまは変異株の問題も気になります。しっかりと様子を見ながら対応して行くことが必要です。現時点では、20日からまん延防止等重点措置が始まったばかりです。しかもこの内容は、前回の緊急事態宣言の内容とあまり変わりません。お店の営業時間短縮を8時までにお願いするということが中心です。ですから、これによって何とか抑えて行きたいと思っています。

政府に対して「まん延防止等重点措置」の適用を要請することを決定し、新型コロナウイルス感染症対策本部会議後に意義などを説明する神奈川県の黒岩祐治知事=2021年4月15日、同県庁 写真提供:時事通信社

一都三県の知事では「都県境を越える移動は生活に必要な場合のみ」ということで合意

飯田)この間、小池都知事の発言で「東京に来ないでいただきたい」というものがありました。「事前に電話をもらって、非常に驚いた」というお話もありました。それくらい一都三県は経済面でもそうですが、人の流れの面でも密接につながっています。そのなかで感染を県単位で抑えるということは難しいですか?

黒岩)難しいと思います。それは皆さん一緒になってやって行くべきだと思います。しかし、完全につながっていて、同じ状況になっているのであれば、いまの神奈川でも東京とまったく同じような感染状況になっているはずなのですけれども、いまはそうなっていないわけです。我々も必死で県民の皆さんにお願いをしています。飲食の場でのマスク飲食、これは神奈川発ですから。それと基本的に「一都三県」ですが、この間知事同士で会議をやりまして、「都県境を越える移動は生活に必要な場合のみ」ということで合意をしていますから、共通メッセージとして皆さんにご提示するという状況にはなっているつもりです。

感染予防と経済活動をどう両立させるか

飯田)スタジオには国際政治学者の細谷雄一さんもいらっしゃいます。

細谷)自粛要請ベースで県民の方々にお願いするということが、なかなか難しくもあると思いますし、変異株で感染のスピードも速くなっている。そういういまの難しさというのは何かございますか?

黒岩)難しいことばかりです。これまで蓄積して来たものがあり、それを元にしてさまざまな政策を打って来ている。それでも、ウイルスもどんどん変わりつつあります。新たな展開の連続だと思います。「完全なロックダウンをやれば、感染を抑えられる」ということはわかっています。しかし、経済活動がありますから、どのようにして両立させて行くか、ここがいちばん難しいところです。

「マスク飲食」の徹底を目指す

黒岩)我々がこれまで蓄積したなかで、飛沫が飛び交う環境がいちばん問題だと。ここをきっちり抑えれば何とかなるだろうということなのです。いちばんのポイントはどこかと言うと、やはり飲食店。これは政府の分科会でもおっしゃっています。日本人はマスクをよくされています。ところが、飲食店に入って食事を始めた瞬間に当然マスクを取る。そのときに楽しいからお喋りが始まる。そうすると、飛沫が飛び交う状況になるということで、これを抑えるには、「食事をするな」とは言えないけれども、「食事をするときもマスクは付けてください。口にものを運ぶときだけは外しても、お喋りするときはマスクを付けてください」ということは言えます。この「マスク飲食」を徹底的にやれば、何とか抑えられると信じています。

飯田)マスク飲食を徹底する。

黒岩)前回のときも、「マスク飲食をお店が推奨してください」として、これを協力金支給の条件にしましたけれども、今回はさらに踏み込んで、「マスク飲食実施店」の認証制度をつくりたいと思っています。お店には県がマスクをお配りしますから、お客さんに「マスクを付けてください」と呼びかけて、これを徹底していただくということです。そのなかで何とか抑え込んで行きたいと思っています。

黒岩祐治・神奈川県知事

「マスク飲食実施店は時短要請の適用除外にする」〜全国知事会から国へ要望

飯田)その認証を一歩進めて、そういう感染対策をやっているところであれば、時短要請の一部緩和はできないでしょうか。山梨モデルということもありますが、ラジオをやっているとドライバーさんからメールやツイッターで、「夜8時で閉まってしまうと、深夜トラックを運転していて食事するところがないんだよ飯田さん」というような声を聞きます。

黒岩)いま我々が国に対して要望しているのは、「マスク飲食実施店は時短要請の適用除外にしてください」ということです。マスク飲食実施店を認証しますので、完全にやってくださっているところを増やして行きたい。これをドレスコードのようにして行きたいと思います。お店自体が感染防止対策を徹底してやっているということが前提になりますが、マスク飲食を徹底していれば、時間を短縮するのではなくて、深夜までやっていても大丈夫だという流れを早くつくって行きたい。それをいま全国知事会から国に対して要望しています。

「マスク飲食の徹底」を広げれば旅行業にも対応できる

飯田)これは飲食だけではなく、旅行業でも感染対策できていれば、自粛しなくてもOKではないかということになりますよね。

黒岩)そうなのです。飛沫が飛び交わない状況を完全につくれば、経済を動かせるのです。通勤であれだけ人が動いていても、通勤電車のなかで感染爆発が起きたということは聞かないではないですか。皆さん、マスクをして静かに乗っていらっしゃるわけですから。やはりお喋りする場です。だから飲食する場ですよね。旅行することにおいては、感染者は拡がらなかったけれども、旅行先に行くと必ず食事をします。楽しいから喋ります。そこがポイントです。そこを完全に抑えられれば、普通に夜にお店も開くことができるし、旅行も自由にできる。この流れを皆さんとともにつくりたいと思うのです。

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