サイバー攻撃が“武力攻撃”と位置付けられ、こう変わる「戦闘内容」

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月14日放送)に前統合幕僚長の河野克俊が出演。次期「サイバーセキュリティ戦略」について解説した。

【ホワイトハッカー】プログラミングの授業を受ける学生 パソコンのキーボードを打つ手元=2019年7月1日、大阪市西区のOCAデザイン&IT専門学校 写真提供:産経新聞社

次期サイバーセキュリティ戦略

政府は5月13日、サイバーセキュリティ戦略本部の会合を首相官邸で開き、今後3年間の次期「サイバーセキュリティ戦略」の骨子を示した。

飯田)次期「サイバーセキュリティ戦略」の骨子が政府から示されました。中国、ロシア、北朝鮮のサイバー攻撃に対抗するため、外交・安保分野で防御力の強化を柱に打ち出されておりますが、サイバー部分での守りというのは、河野さんが現役の時代から取り沙汰されて来た問題ですよね。

河野)従来からサイバーの能力に、重点的に投資しているということはありませんでした。しかし、いま防衛計画の大綱という大方針が出ているのですが、そのなかでは宇宙、サイバー、電磁波に力を入れるということで、順次人員も予算も増強しつつありますし、民間の方とも一体となってやらなくてはいけません。そういうこともいまはやっているはずです。

「サイバー攻撃は国際法上の武力攻撃と位置付ける」ことによっていろいろな対応が可能に

飯田)今回の骨子のなかに、「重要インフラをどう守るか」ということも盛り込まれています。この辺では官民挙げてということですか?

河野)私が今回の骨子のなかで注目したのは、「サイバー攻撃は国際法上の武力攻撃と位置付ける」というものが入ったことです。私が現役のときには、サイバー攻撃が武力攻撃なのかどうかの判断がつきにくいというところがありましたが、ここで明確に位置付けられたというのは、大きな前進だと思います。これを受けて、いろいろな対応ができるのではないかと思います。ですから重要インフラにサイバー攻撃をされた場合、ある種の武力攻撃だと認定できれば、いろいろな対応ができて来ると思います。

サイバー攻撃が「武力攻撃」と位置付けられたことで日米同盟での具体的な調整も

飯田)アメリカ軍なども法的な整備のなかで、実際の被害があった場合等々は、集団的自衛権の行使の状況にも入るのだという話も出て来ています。日本もサイバー攻撃を受けての実際の動きというところも入って来るのですかね。

河野)「武力攻撃かどうか」というのが漫然としないところがありましたけれども、今回位置付けられたということで、これであれば日米共同対処として日米同盟に基づくということも考えられますから、今後、具体的な調整も進むのではないかと期待しています。

飯田)そうすると、より現実に即した訓練なども行えるという。

河野)そういうことになると思います。

飯田)むしろ、それだけ喫緊の課題になったのだということですね。

河野)それはもう喫緊ですね。例えばロシアが事実上クリミア半島を獲りましたよね。あのときは「ハイブリッド戦」と言われました。軍と軍との取っ組み合いではなく、遠隔操作です。サイバーで偽情報を流す。また、偽の命令を流してウクライナ軍をあらぬ方向に持って行くというようなことが行われました。そういう方法を駆使する時代になってしまったということです。サイバーは安全保障上の喫緊の課題だと思います。

飯田)実際に軍を動かす、ドンパチやる前に、勝負が決まってしまうかも知れない。

河野)例えば軍隊をあらぬ方向に動かして、そこを狙い撃ちするというような。サイバーと従来のアナログ世界とを組み合わせた戦闘様相になって来ることも考えられます。

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