東京オリンピックで懸念される“日本のテロ対策”

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月25日放送)にジャーナリストの有本香が出演。防衛省が自民党国防部会などの合同会議に示した2021年版防衛白書の素案について解説した。

警備犬とともに不審者を制圧する警察官ら=2019年2月21日、川口市西青木 写真提供:産経新聞社

防衛白書の素案に台湾の安定を明記

防衛省は5月24日、2021年版防衛白書の素案を自民党国防部会などの合同会議に示した。中国が台湾周辺での軍事活動を活発化し、アメリカも台湾を軍事的に支援する姿勢を示していることを踏まえ、「台湾情勢の安定は、我が国の安全保障や国際社会の安定にとって重要」と初めて明記した。7月中に閣議で報告される見通しだ。

飯田)まさに危機感というものですね。

米中の大きな対立のなかで生きて行く日本

有本)岸防衛大臣は自民党の現役議員のなかでは、最も台湾と関係の深い人です。そのような防衛大臣なので、台湾側ともいろいろな意思疎通がしやすいということはあると思います。新しい防衛白書のポイントの1つに、中国が懸案になっているので、「米中関係」という項目を新しく設けていることがあります。これから先、アメリカと中国の緊張関係はさらに高まって行きますし、かつてのように、すぐに紛争という形よりも、経済でやり合って行く、またはサイバーなど、新しい領域における米中の大きな対立はしばらく続きます。そのようななかで私たちは生きているということを考えなければいけないのです。

東京オリンピックでのテロ対策の準備は十分されているのか

有本)もう1つ気になることは、いま大規模ワクチンセンターに自衛隊が導入されているではないですか。それがすべてではないのですが、日本はオリンピックをやります。先日、あるイスラエルの関係者から、日本はコロナもあるし、ワクチンの接種も遅れていて、いろいろと大変だと聞いているのだけれど、「東京オリンピックのテロ対策は大丈夫だよね?」と聞かれました。

飯田)テロ対策。

有本)国内でのテロに関しては、尖閣において最初に対応するのが海上保安庁であるということと同じで、まずは警察が第一義的に対応します。しかし、特殊な形でのテロということになった場合、やはり自衛隊です。そのようなことも含めた、それこそ平時ではない対応ができるようになっているのだろうか、そのようなシミュレーションをしているのだろうかということが、ふと大手町の大規模接種センターの前を通りながら、少し不安になりました。

飯田)ロンドンオリンピックのときは、近くの大きな公園にイギリス軍のPAC3を置いたりしました。

有本)そうなのです。何があるかわからない。イギリスの場合は島国と言っても、大陸との距離が日本よりも近いので、それぐらいのことまで想定していたわけですよね。私が話をしたイスラエルの関係者は、陸軍出身のカウンターテロリズムの専門家なのですが、その人はそのように心配していました。なぜそのようなことを言うのかというと、彼らにとってはミュンヘンオリンピックでの嫌な思い出があるのです。

飯田)襲われた側の当事者でした。

有本)ターゲットにされたわけです。だから「東京は大丈夫だよね」ということを言われるのです。あっちでもこっちでも自衛隊の皆さんにいろいろなことをお願いするしかない状況でありながら、未だに憲法でもこのような状況だというのは、本当にきついですよね。

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