「台湾」ではなく「台湾海峡」と言わざるを得ない中国への“遠慮”〜日本とEUの首脳協議

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月27日放送)に神戸大学大学院法学研究科教授・NPO法人インド太平洋問題研究所理事長の簑原俊洋が出演。日本とEUが行う首脳協議について解説した。

台北市の総統府で記者会見する蔡英文総統=2020年1月15日(共同) 写真提供:共同通信社

日本とEUの首脳協議

日本と欧州連合(EU)が5月27日にテレビ会議方式で行う首脳協議でまとめる共同文書で、台湾海峡における平和と安定の重要性を確認する方向で調整していることがわかった。

飯田)「日本とEUの共同文書で台湾言及か」ということが出て来ていますが、台湾について、ここのところ注目されています。EUも東アジアに対して、コミットして来ようという表れと見てよいですか?

必ずしも一枚岩ではないEU

簑原)間違いなくそうですが、EUは27ヵ国もあるのです。中国に対して理解が深い国もあるわけで、あまり一枚岩として見ない方がいいでしょう。

飯田)なるほど。

簑原)EUのなかにおける海洋国家で、しかもしっかりとした海軍を持っている国が、とりわけ南シナ海、インド太平洋に関心を持っていると理解すべきです。

飯田)内陸のハンガリーや、東欧に近い国々というのは、中国のお金の部分をあてにしている国もなかには多いですよね。

簑原)ハンガリーの場合は、国内問題に介入されたくないというところがあるのではないかと思います。

実際に書かれているのは「台湾海峡における平和と安定の重要性」

飯田)「共同文書で台湾言及」とありますが、表現としては台湾そのものではなく、「台湾海峡」と書くことが多いです。

簑原)まさしくそこが気になるところです。「台湾」と言って欲しいですが、なかなかそこには踏み切れない。中国に対して遠慮がある部分だと思います。例えば「日本海の平和と安定」と言った場合も、果たして日本を指すのかどうか。間接的に日本は含まれるでしょうけれど、「日本の安定と平和」と言うのと、「日本海の安定と平和」と言うのでは、微妙にニュアンスが違うと思います。

飯田)EUだけではなく、日本もかなり気を遣っていますよね。

簑原)中国は大国ですから。「台湾海峡」と書いているにもかかわらず、「台湾」というところだけを取って「台湾言及」というのは、スポーツ新聞的な見出しだなと思います。

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